名鉄美濃町線の廃線辿りその2です。前回は終着駅である名鉄美濃駅を紹介しました。
【関連】旧名鉄美濃駅は、趣味が高じた系の愉快な珍スポットでした
今回はこの美濃駅から関方面へと廃線跡を辿る旅です。地味ですね。すみません。
てな訳で駅舎前の、元々車庫だったこの場所からスタートです。今は完全にアスファルトが敷かれてるのでわかりませんが、当時は写真奥から手前にかけてレールが敷かれてました。
美濃町線の遺構はいろんな形に転用
この辺は元々車庫だった場所。今は空き地となっています。シーズンになるとおそらくしだれ桜がライトアップされるんですかね。しかしまぁ不自然にベンチが置かれて、謎な空間に仕上がっていました。
「そのまま空き地にしておくのももったいから、適当にベンチでも置いたろ!」と言った若干場当たり的な転用方法が見れるのも廃線巡りの醍醐味だと思います。ははは。
その後しばらく大通りに沿って歩き続けたのち、たどり着くのがここ。
その名もちんちん電車遊歩道。うむ、読んで字のごとくここに電車が走っていた証拠です。ちんちん電車ってのは言うまでもなく路面電車の総称ですね。当時の名鉄美濃町線は一部の区間で道路上を走行していました。
なぜ路面を走る電車がチンチン電車と呼ばれているのかと言うと、路面電車は道路の上を走ることから、音を鳴らして通行人に注意喚起をしていました。で、その音が「チンチン」と鳴ることからチンチン電車という愛称がついた、ということだそうです。
名鉄美濃町線の廃止は2005年ですが、この辺りは1999年に廃止されました。もう20年近くも経っているので当時の遺構は殆どありません。こうして見るともはやただの道ですね。しかしこんな住宅街を縫うように走っていたんですねえ。通行頻度も速度も低いので騒音はあんまりなさそうですが。
廃線とは関係ないけど寂れた洗濯機がありました。二層式の古いやつですね。レトロ加減が好きです。実生活では使いたくないけどね。
これもあんまり関係ないけど、寂れた鉄階段です。このように、かつては電車が走ったこの道も、今では生活道路と化しているのです。
さらに歩いていくとなんだか見慣れないものがいきなり道に広がっていました。用水路の幅が急に広がっています。
その中をなんとまぁ鯉が泳いでました。これ、夜道だと誤って落下しちゃいそうですね(笑)
しかしまぁ廃線跡で鯉が泳ぐなんてここだけじゃないでしょうか。大変珍しい光景をありがとうございました。
名鉄松森駅
鯉に癒された後、しばらく行くと到着しました、松森駅です。ホームが1つあるだけの、超シンプルな駅ですね。
松森駅のすぐ隣に民家があるのですが、これは当時からあったものなんですかね。これだけ駅に近いと便利な反面、ちょっと恥ずかしいよね。
松森駅を過ぎたところに、橋梁がありました。
橋自体は最近できたものみたいでしたが、基礎の部分は当時のままだと思います。
ここまでだいぶ歩いて疲れたので、岐阜バスに乗り換えて、名鉄美濃町線の始発駅である岐阜市内の徹明町駅に一気に向かいます。
徹明町駅
JR岐阜駅から北にしばらく行くと、ドン・キホーテ柳ヶ瀬店の近くに徹明町駅(てつめいちょうえき)があります。名前が面白いですよね。どう見ても徹夜明け。
あった。この黄色い入り口のビルです。「これが駅なの!?」と思われるかもしれないので補足しておくと、路面電車なので、正確には駅も道路上にありました。ビルでは切符の販売が行われていました。
今はビル自体が封鎖されてんのかな。中には入れません。今でもガラス面には例の名鉄フォントスタイルで「徹明町駅」と描かれています。
なんか紙切れが落ちてる。誰か侵入したんだろうか。奥の方は鉄格子になっていて、なんか怖いぞ。
ビルの名前は「名鉄徹明町駅ビル」というそのまんまな名前。
徹明町駅ビル正面の道路。アスファルトを見ると、路面電車の跡が若干残ってるのがわかります。
自分は昔からちょくちょく岐阜を訪れていたので、岐阜といえば路面電車が走っているイメージがありました。ところがいつの間にか路面電車がなくなってて「あれは夢だったのかな」と思ってたんですが、現実で良かったです。
まぁでもこの現実は現実でも、誰かの手によって作られた現実かもしれないので油断できませんね(トゥルーマン・ショー)
この記事の撮影機材
カメラ1:RX100M3
カメラ2:DP3Merrill
ちんちん電車遊歩道の詳細情報
公式サイト:ない
住所:岐阜県美濃市岐阜県美濃市松倉台1丁目
電話番号:ない
場所:Googleマップで見る
備考:トゥルーマン・ショー見たことないです。