これが1988年に作られた地方の駅とか信じられるか…?
1914年くらいから1991年にかけて、岡山県倉敷市には下津井電鉄ってのが走っていました。現在でも駅や路線跡が残されています。中でも、今回紹介する「児島駅」から終点の「下津井駅」までは遊歩道になっていて、「風の道」と呼ばれます。
この「児島駅」が、写真の通りアーケードで覆われていてなかなか面白い駅舎だったので紹介します。
まるでパチンコ屋!豪華なアーチが特徴的だが使用期間は3年だけ
ぱっと見駅とは気づかない
ちょっといい写真がなかったので分かりにくいのですが、児島駅はご覧の通り、アーチというかアーケードというか、大きな構造物に覆われています。
ほんとに駅なのぉ?
内部に駅舎、線路、ホームがあります。1線しかない小規模な駅としては珍しい構造なんじゃないかなと思います。
改札はない
この児島駅、過去に何度か移転しています。現在の位置に落ち着いたのが1988年のことで、この時点でアーケードに覆われた構造でした。私は「廃線後に構造物で覆って整備したのかな」と思いましたが、現役当時からこの状態だったということで驚き。
By Gohachiyasu1214 - Own work, CC BY-SA 4.0, Link
こちらが現役当時の写真です。多少の違いはあるものの、根本は同じ構造物であることがわかります。
当時から残る展示品など
内部に入るといくつかの部屋がありました。出札所だけでなく、売店や休憩スペースみたいなのも用意されていたようです。
このように気合を入れたリニューアルが1988年に行われて、その3年後の1991年、なんとまぁ全線廃止、廃線となります。わずか3年の命…!悲しすぎます。
風吹かれる中ホームを駆け抜ける
これもおそらく当時の案内。「赤いクレパス号」だけフォントがポップ
とりあえず中を進んで行きます。
「弁慶号」「メリーベル号」「赤いクレパス号」。全く統一感のない案内票。なんだこれは?調べてみると、下津井電鉄が採用した車両の愛称だったようです。
いずれも特徴的な車両で、弁慶号はかつて石炭運搬に使われた機関車、「メリーベル号」は展望デッキがついた車両あり、そして「赤いクレパス号」は外も内も落書きOKという面白い試み。
しかし、いずれも1980年代後半に導入されたもので、その後数年のうちにお払い箱となってしまったのでした。うまくいきませんね。
突然の欧州感
こんな素敵なオブジェも当時から設置されていたものみたいです。
児島駅ホーム
こちらがホームです。児島駅は元々下津井電鉄線のちょうど中間の駅でした。しかし1972年に前半部分が廃止されてしまったため、児島駅は始発駅になりました。そのためレールはここで途切れる形になっています。
かつてはこの方向から鉄道が乗り入れていた
これは児島駅の入り口から対面を向いたところ。かつてはこの視線の先にも線路があったわけです(先の通り、児島駅は何度か移転してるので明確にここにあったわけではない)。
動画撮ってる人もいたよ
この日は8月。外に出ると汗が噴き出る気温です。しかし児島駅内部は日光が遮られ、「風の道」の名の通り、風が通って気持ち良かったです。
岡山で不思議と出会ったよ
そんな近いわけじゃないけど、岡山市と玉野市の境目に八浜資料館という珍スポットがあります。結論を言えば「よくわからんかった」なので、あんまり「ためになる」記事ではありませんが、ぜひこちらも読んでみてね。
旧児島駅の詳細情報
公式サイト:風の道/産業課/児島支所/倉敷市
場所:Googleマップで見る
訪問年:2020年