足7本かも
こ、この形は…!青森県は下北半島です。かつて下北駅から大畑駅にかけて、大畑線という鉄道が走っていました。ちょうど下北半島を縦断する形ですね。
そしてこの大畑線は本州最北端の大間まで伸び、さらには北海道は函館にまで接続する予定だったとのこと。そんな壮大な計画があったんですが、結局完成したのはこの大畑駅までで、そこから先はいくつかの遺構を残すものの、未成のまま終わっています。今となっては作らなくて良かったねとしか…。
というわけで、今回はこの大畑線の終着駅である大畑駅について紹介していきます。素敵な体験ができたので、アクセスはかなり大変だけどぜひ訪れてほしい場所です。
大畑駅は今でも駅の雰囲気を残す
東北っぽい寂しさがある
この辺はもう周囲にコンビニやスーパーもほとんどなく、個人宅と小さな商店がポツポツあるような田舎です。そんな田舎に残るレトロな駅舎の前には、この通り廃線後もタクシーがいることもあります。
なぜなら今もバスの停車場として使われているからです。大畑線は国鉄から下北交通株式会社に引き継がれた路線で、下北交通は元々バス会社でした。そんなわけで今も人の往来があり、タクシーもいるわけです。
元本州最北端
大畑駅はかつて本州最北端の駅でもありました。ちなみに現在の本州最北端は、かつて大畑線の始発駅であり、JR大湊線の現役駅でもある下北駅です。
レールが残っているのはこの区間だけ
廃止になったのは2001年のこと。20年以上経ち大畑線の線路の多くが剥がされてしまいましたが、この大畑駅周辺だけは線路が残されています。
どうもこの区画のみ、NPO法人によってずっと守られてきたようでした。
車両基地見学
下北交通保守基地
さて、小雨の中大畑駅を見学しましたが、特に目ぼしいものはなかったのでサクッと帰ろうと思ったその時、関係者らしき方にお声がけ頂きました。おそらく例のNPO法人の方だったのでしょう。とても優しく接してくれました。
平成初期間のある写真
てなわけで、車両基地を見せていただけることになりました。
こういう内部はワクワクするね
いくつかの車両が保管されています。
NPO法人サイト見る限り、まだ動くらしい
鉄ちゃんじゃないからよくわからないけど、おそらく現役時代に使われていた車両だと思います。
地上から乗り込むのは大変だ
車体内部も見せてもらえるとのことで、乗り込みます!
電気もばっちり
レトロな車内。銀河鉄道999って感じのシートですね。
車内で飲む瓶コーラはまた美味しそう
すごくわかりにくいんですが、窓の下にはちょっとした出っ張りがあって、これは瓶の栓抜きとのこと。時代を感じます。
落書きもたくさんあった
そして灰皿。昔はバスにも灰皿ありましたね。
案内してくれた方
窓は二重窓になっています。青森なので、防寒仕様なんでしょうね。ちなみに暖房もきちんと完備されています。
コックピット
運転席。
レールバイク的なやつで廃線跡を走る
廃線を走るよ
なんとまぁ、残った線路をこちらのレールバイク的なやつで走ることができるそうで、ご厚意で載せ頂きました!
風を切る
こうしたものって足漕ぎ式が多いんですが、エンジンを搭載しているので結構普通に走ります。確か改造して動力付きにしたという話を聞いた気がします。
たまたま廃駅に通りがかったので線路でだらだらしていたら、車両を整備していたスタッフの方に声をかけて頂いた。車両基地を案内してもらったあと、ガッタンゴー的なやつでおじさんとランデブー笑
楽しかった! pic.twitter.com/NoGDJoWo8A
— 斎藤ポポポ (@saitoh_ppp) July 4, 2020
右手のレバーで操作します
運転もさせてもらいました。
ホームからの景色でお別れ
まさか廃線跡をこんな形で走れるとは思わず、思いがけない体験に感動しました。ありがたい。
この記事の撮影機材
カメラ1:RX100M7
カメラ2:Insta360GO
変わった廃線跡
大畑線は廃線としてはごく普通、よくあるものです。もっと変わった廃線が見たいのならこちらの記事をご覧ください。
宮崎県にはなんと、リニアモーターカーの廃線跡があります。もちろん旅客車ではなく、実験用の線路です。リニア実験線と言えば山梨ですが、実はその前身が宮崎にあったわけです。
大畑駅の詳細情報
公式サイト:大畑線キハ85動態保存会 | 国鉄型キハ22を動態保存しております。
住所:〒039-4401 青森県むつ市大畑町庚申堂60
電話番号:-
場所:Googleマップで見る
駐車場:あり
備考:熊本にある大畑駅(おこばえき)も見どころあり
訪問:2020年