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恐山山門
今年も来ちゃった恐山

4年前から、誕生日を迎える度に青森県の恐山への参拝を続けています。元々恐山のこの世の果てみたいな雰囲気が大好きで、自身の誕生日をきっかけに行ってみたところ、なんだかんだ習慣化して今年も入山料500円を払って見事に参拝をキメてきたわけでございます。

このような行事を4年間も続けると、別に仏教を信仰しているしているわけではないけど、なんらかの仏教的な後ろ盾ができた気がして心強く感じるようになりました。何かあっても「俺のバックにゃ恐山がついてるぜ」というマインドです。これが信仰心なんでしょうか。

そして今年は三十路を迎えるという記念すべきタイミングだったので、より徳を積むという意味でも宿坊に泊まることにしました。つまり、恐山に1泊してきたわけです。

恐山は通常6時〜18時しか参拝を受け付けてませんが、宿坊は恐山の内部にあるので、宿泊客は夜の恐山、朝の恐山を堪能できるという嬉しいメリットがあります。宿坊の利用方法をはじめ、今年見た恐山の様子を紹介していきます。

恐山温泉宿坊吉祥閣に宿泊

恐山宿坊吉祥閣

「恐山には誰でも泊まれる宿坊がある。」

過去3回も恐山に訪れているものの、恥ずかしながら宿坊の存在を全く知りませんでした。「吉祥閣(きっしょうかく)」という名前で、1泊夕食朝食がついて12,000円で宿泊可能です(500円の入山料が別途かかります)。

一週間前までに吉祥閣の電話番号「0175-22-3825」に電話して予約しておきましょう。支払いは現地での現金払いにのみ対応しています。

恐山に入山して右手にあるのが宿坊です。入って靴を下駄箱に入れてスリッパに履き替えてから、受付でチェックインすると、色々と説明を受けたあとに部屋に案内されます。

恐山宿坊の部屋
掛け軸の裏には何もなかった

そしてこれが今回泊まった部屋。1人で泊まるには無駄に広い部屋。洗面所とトイレもあります。エアコン、テレビ、冷蔵庫の類はありません。さすが宿坊。

恐山宿坊の布団

ぽつんと置かれる敷布団。寂しい。そして思ったんですが、この配置、まさかの北枕。真北ではなく北西だけど。

一般的に北枕は縁起が悪いと言われています。なぜなら「お釈迦様が死ぬとき北枕だったから、北枕は死が連想されて縁起が悪い」という理由だったと思います。この考えだと「死」が重視されているわけですが、「お釈迦様」を重視すれば北枕はお釈迦様と同じ向きで寝るということであり、言ってみればお釈迦様との擬似川の字就寝体験ができるわけであり、そんなに悪いことではないと思います。

恐山宿坊のルールや注意点、設備など

宿坊内の大浴場
宿坊内の大浴場

恐山の宿坊にはいくつかの注意点・ルールがあります。

  • 夕食は18時、朝食は7時半
  • 食事は大広間でみんな一緒に行う。浴衣の着用は禁止
  • 6時半に朝のお勤めがある(お堂に集合して30分くらいお経を聞く)
  • 夕食、朝食時は飲酒禁止
  • 館内禁煙
  • ドライヤーは大浴場にしかない(部屋には置いてない)
  • 22時から館内消灯(室内は自由に起きててよし)
  • チェックアウトは10時

ちなみにシャンプー、ボディソープ、歯ブラシ、バスタオルはきちん備わっているので持ってくる必要なし。

恐山の大浴場

どれもたいした注意点・ルールではないと思います。しかし1番ヤベェのは、室内にいると携帯の電波が圏外になること。インターネットにアクセスできないしテレビもないという貴重な戦前体験ができます。

ただ、窓に携帯を押し付ければなんとか3G回線には繋がりました。テザリングならまだ良いけど、携帯自体を操作するとなると、窓に押し付けながら操作しなきゃいけないのでだいぶしんどいのでご注意を。

恐山のお箸
寝食を共にしたお箸

夕食・夕食時には、全体でいただきますとごちそうさまのご挨拶があります。なので食べ終わっても勝手に帰らないように。そして夕食で使った箸は一旦持ち帰り、朝食で再び使います。使い終わった箸は記念に持ち帰ることができます。

雨の中の恐山は雰囲気が出て良いが、7月でも寒い

雨の恐山

この日は西日本を中心に豪雨となった日でした。ここ青森でもそれなりに雨が降っていました。一昨年も土砂降りだったことがあったけど断続的だったのでまだ観光できたんですが、今年はずっと雨が降り続けてたのでカメラ片手に観光するには厳しい状況でした。おまけに気温が低く、過去最悪のコンディションでした。

賽の河原

恐山はいつ来ても石が積まれています。積んでいるのは観光客か、はたまた恐山の人が積んでいるのか。風車は売店で販売されているので、観光客が刺してます。

私はまだ石を積んだり風車を刺したことがないので、来年はこの2つの実績を解除することを目的にしようと思います。

火山ガスで変色した石

恐山の記事を書くたびに言ってることですが、恐山では日常的に火山ガスが噴き出しています。そのため、植物はほとんど育たず、石は変色し、辺りには硫黄の匂いが立ち込めています。このように恐山は一般的な山とは違う雰囲気を持つので、今で言うパワースポットとして古くから信仰の対象になっていたと聞きます。

雨の恐山

雨がひどいだけじゃなく気温も低かったんですが、私は半袖にジャケットというラフな格好で結構キツかったです。恐山は山とは言え行ける範囲はそこまで広くないんですが、足元が悪いのでスムーズに歩けません。そんな状況なので遭難するかと思いました。

宇曽利湖

この雨の中、私以外にももう1人探索しているおじさんがいたけど、彼は無事帰れたのかな…。

人生初の混浴入浴体験

恐山の外れにある温泉

これも今まで知らなかったんですが、恐山には混浴の温泉があります。去年入浴した男湯は参道からすぐ見えるところにあるんですが、混浴は参道から離れた宿坊の裏にあります。

混浴
ウヒョヒョ

混浴という二文字に胸が高鳴ります。

恐山の混浴温泉

人生初の混浴ということで満を辞して扉を開いてみたものの、誰もいませんでした。非常に残念。まぁ恐山での混浴なんて、誰かいたとしても確実に高齢者でしょうけど。

恐山の混浴温泉に浸かる
強い酸性なので10分以上浸かると害があります

っていうか水温が高すぎて肩まで浸かれなかった。無理だろこれ。と思ったら冷水が出る蛇口があって、温度を調節してくださいって書いてありました。

これさえあれば鬼に金棒ということでジャボジャボ水を足すも、どちらかと言えば焼け石に水。全然温度が下がらなかったので撤退しました。残念でした。

宿坊宿泊者だけの特権、早朝の恐山参拝

恐山の真ん中

宿坊宿泊者だけのスペシャルな体験ということで、夜の恐山を散策しようと思ったんですが、残念ながら雨は降り続けて夜も散策できない感じだったのでさっさとふて寝した、早朝の恐山を攻める作戦に切り替えました。

雨の中の恐山の風景

そんなこんなで朝4時半 in 恐山。初めて恐山にきたときは、快晴で観光客が多くて、しかも爺さん婆さんから写真撮影を頼まれまくって、「なんだこここは観光地か」と憤りを感じたものですが、雨上がりの朝4時半だと流石に誰もいないので恐山を独り占めできます。

霧の中の恐山

独り占めと言えば聞こえが良いけど、実際には集団に馴染めなかった者の成れの果てと表現した方が適切かもしれません。むなしくなったので以下文章なし、画像のみ。

風車と恐山

恐山の空

曇りの宇曽利湖

男根が落ちてると思ったら地蔵だった。30歳のこの1年、良い年にします。

この記事の撮影機材
カメラ1:RX100M3
カメラ2:iPhone7

恐山 吉祥閣の詳細情報

公式サイト:なし
住所:〒035-0021 青森県むつ市田名部宇曽利山3−2
電話番号:0175-22-3826
場所:Googleマップで見る

営業時間:5時〜22時
入場料:500円
駐車場:あり(無料)

備考:例大祭期間などは別料金になります