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廃墟
本日のお宅

この日私は岐阜県の「古津楽苑(読み方は「ふるつらくえん」?)」、通称「ホワイトスラム」と呼ばれる廃墟を見に来ていました。この廃墟の詳しい説明については前回の記事を読んでください。同じことを2度言いたくはないんでね(嫌なやつ)

根はいいやつなのでもう一度だけ説明すると、ここら一帯は元々レジャー施設で、その後に新興宗教団体が根付いた、と言われています。本当のことはよくわかりません。で、前回はその新興宗教団体が作ったと思われる仏舎利塔を紹介しましたが、今回はおそらくレジャー施設側の物件だと思われるものを紹介します。

岐阜県、古津楽苑にある廃墟を探索

柴田観光の遺物

ホワイトスラムを出て山の中を探索すると、「柴田観光」なる残骸が落ちていました。この施設を運営していた会社でしょう。また、その裏にはピカデリーと書かれていて、なんと映画館らしきものもあったと聞きます。

ところで「ピカデリー」ってたまに見かけるけど地味に意味がわからない単語ですよね。ピカデリーの意味を調べてみたところ、ロンドンの道の名前なんですってね。で、日本では映画館とか劇場とかにピカデリーって名付けることが多いんだそう。別にピカデリーが映画のメッカとかそういうわけではなさそうなので、正直「は?」って感じですが、まぁトルコ風呂みたいなもんなのかな。あんまり関係ないかな。どうでもいいかな。

シャンデリア

というわけで冒頭に挙げた建物の内部に入りました。内部は荷物が散乱していて、見所があると言えばあるけどないと言えばない状態でした。人はこれをシュレディンガーの廃墟と呼ぶ。

あまりにも物が多いと写真を撮る気も失せるので、フィルムカメラでもないのに写真を撮らずにしばらく探索してしまいました。もしかするとそれはマインドに訴えかけてくる心霊現象が発現したのかもしれません。

そんな憑依状態の私の眼前に現れたのはシャンデリア。何かねこれは。天井がから吊り下げられているシャンデリアなら私もみたことありますが、壁掛けタイプは初めて見ますなぁ。怪しさ3割り増し。

この廃墟最大の見所、襖に描かれたダルマと龍の絵

古津楽苑の廊下

お次は2階、婦人服売り場でございます。ホワイトスラムのあの特徴的な仏舎利と並んで、この廃墟で有名な見所があります。

襖絵

はいこちら。襖に描かれたダルマの絵。この見事な絵と、廃墟の荒れ具合の感じ、素晴らしくないですか?

ダルマの絵が描かれた襖
ここで寝ると落ち着かなさそう

七顛八起と書かれているのかな?その隣にも何か描かれているけど読めない。最初の2文字は「是れ」?そして中央に描かれるダルマ7(筋肉番付)。前列に並ぶ4名は印象的なダルマフェイスで描かれているものの、後ろのお三方はメタモンみたいなお顔をしてらっしゃいますね。

描いた人の名前もついてますね「柴光」という方みたいです。調べても大した情報は出てこなかったので、特に名を残した方ではないのかもしれません。もしかしたら「柴田観光」を縮めて「柴光」って名前にして、ここの関係者が描いたのかもしれませんね。

廃墟と襖の絵

そんな「柴光」リスペクトの気持ちからか、周りはこんだけ荒れてるのに襖だけは綺麗な状態を保っています。願わくば今後もこの襖だけは手を出されませんように。

ボロボロの障子

しかしそんな私の願いを聞いたこの障子は思いました。「自分だって立派にここに居続けたのに、どうしてこんなにもボロボロにされなければいけないでしょうか?」

そう、絵が描かれた襖だけ守られて、なにも描かれていない障子なら破いて良いなんて、そんな不公平な話はありません。どちらも平等に愛するのが人でしょうが。この障子の嘆きに共鳴した方、ぜひハッシュタグ#MeeTooをつけてリプライを送ってやってください。あなたは1人じゃない。

大広間

さらにその襖の奥、つまり隣り合う次の部屋にも襖絵が描かれています。

襖に描かれた竜の絵

それがこちらの龍の絵。これまた迫力がすごいわ。

こちらにも画家のサインと、そして日付が入ってる。「昭和五十一年辰年一月」つまり1976年。40年前のものなんですねぇ。

ところで西洋のドラゴンと、アジアの竜の違いって知ってますか?ドラゴンには羽があるけど、竜には羽がありません。でも竜って空飛んでますよね?羽がないのにどうやって飛んでるんでしょうか?

いえ違います、これが固定概念というやつです。羽があるから飛べる、そういうわけではありません。飛べると信じているから羽がなくても飛べるのです。それは人間も同じ。人間には羽がありません。だからみんな飛べないものだと思い込んでる。でも本当は違うんです。みんな飛べるんです。

そう、俺は飛べる、飛べるんだ。

この記事の撮影機材
カメラ1:X-T20
レンズ:XF16-55mmF2.8