ようこそ木造駅へ
珍スポット好きならば、一度はこのような写真を見たことがあると思います。私も以前、どこかでこの巨大な遮光器土偶の写真を見て、「うお!行きてー!」と思った珍スポット好きの一人でございます。
そして面白いことに、こちらは博物館でも資料館でもございません。駅です。JR五能線の駅です。裏側には普通に電車が走っています。
そんなわけでこの不思議な駅舎を見に、はるばる青森県つがる市、木造駅にやってきました。この面白い構造物をじっくり見てもらいつつ、この巨大な土偶が張り付いている理由を紹介していきます。
目次(もくじ)
遮光器土偶が張り付く面白い駅
「シャコちゃん」という名前らしい
こちらがその木造駅。確かに巨大な土偶が駅舎と一体化しています。
この土偶はいわゆる遮光器土偶(のび太の日本誕生でおなじみ)ですね。左足が欠けた状態ですが、オリジナルのものも左足が欠けた状態で出土したので、まさにオリジナルを踏襲したデザインとなっています。
その大きさは17mとも言われています。でかい。
実はあの有名な「遮光器土偶」が出土したのは青森県の亀ヶ岡遺跡
ではなんでこんなJRの駅に巨大な土偶がくっついているのか?
これは私が無知だったのですが、オリジナルの土偶が出土したのは、「亀ヶ岡石器時代遺跡」と呼ばれる場所で、この遺跡は木造駅と同じつがる市内にあるのです。
つまり、地元の名物を駅舎のモチーフに使ったわけです。でも、なんで駅に?
のび太の日本誕生に出てくるあの土偶、不気味でしたね
というわけで調べてみたら誕生秘話が非常に面白かったのでかいつまんで紹介します。
まず、1987年に国鉄が民営化されました。それを契機に、木造駅を中心に活性化しようという計画ができました。そして翌1988年、なんとタイミングが良いことに当時の総理大臣竹下登さんが、全国の市町村に1億円ずつをばら撒き、使い道は自治体に任せるという「ふるさと創生事業」政策を行いました。
難なく財源も確保できたというわけで、前述の通りつがる市のシンボルでもある遮光器土偶をモチーフにしたこの駅舎が誕生したわけです。ちなみにかかった費用は2億1200万円というわけで、1億円はみ出しています。
【参考】駅舎が土偶で目からビーム!? 子どもがおびえた「ふるさと創生」、衝撃の木造駅 (2017年6月16日) - エキサイトニュース
ちなみに「ふるさと創生事業」によって木造駅と同じように、各地に謎の巨大モニュメントの乱立を招きました。例えば岐阜県瑞浪市の狛犬や、近年話題になった淡路市の「1億円金塊」、マジで謎な福島市の「UFOの里」などです。もっとなんかなかったんですかね。
ミニラみたいな目をしている。
さらにこの土偶、電車の発着の際に目からビーム(「いらっしゃいビーム」)を出すそうですが、子供が怖がるという理由で今は出さないそうです。そら怖いわな。
駅舎周辺にはなんか縄文っぽいトイレとかもありました。また、駅舎内にも土器の展示とかありましたが、普通に学生たちがベンチに座って電車を待っていたので、なんか写真撮ったりして好奇の目を向ける気持ちになれなかったのですぐ出ました。
裏は普通に何もない…。
あとなんかレトロな歯科(?)があった
てか駅前にクッソイケてるレトロ建築がありました。桜庭歯科と描かれた看板が内部にあったけど、おそらく営業はしていないと思います。
マジおしゃれ。木造駅周辺には、このようなレトロな物件もたくさんありました。そっち面でもまた、イケてる場所だと思います。ぜひどうぞ。遠いけどね。
この記事の撮影機材
カメラ:RX100M6
木造駅は載ってないけど、面白い本です。地味におすすめ。
関連記事:青森のパワースポットと言えば、高山稲荷神社の千本鳥居
木造駅とセットで訪れて欲しいのが、こちらの高山稲荷神社です。山の中にある千本鳥居は幻想的で、インスタ映え間違いなしです。本当に千本あるのかどうかは…知らない!
木造駅の詳細情報
公式サイト:なし
住所:〒038-3158 青森県つがる市木造房松
電話番号:不明
場所:Googleマップで見る
営業時間:不明
入場料:無料
駐車場:あるけどちょっと混んでる
備考:しゃこちゃん温泉も近くにあるよ