ごく普通な仏像も好きですが、やはり”珍”も好きなんです。
今日はなかなか珍度高い魚籃観音の話。
観音様 is 何
そもそも観音様ってなんなんだ!よく見る奈良とか鎌倉にいるタイプの大仏とどう違うんだ!そう思うはずです。
平たく言えば、観音様ってのはよく見るタイプの大仏の下っ端なんです。大仏といえばパンチパーマでドカっと居座ってるイメージですが、観音様ってのはどっちかっていうと艶かしいくねっとした佇まいで、どこか女性的なものが多いですね。女性的とはいえ観音様の中には千手観音や十一面観音みたいに人の域を飛び出した姿の者もいますが。
今回紹介するのはその観音様の中でもなかなかレア度の高い魚籃観音の像です。
は~るばるきたぜ横浜~
横浜県おだわっ…おっと違った神奈川県小田原市にございます。
JR早川駅を降りて北東に目をやると町並みより一段高いところで顔を出していらっしゃいます。
目標はすぐそこにあるのに遠回りさせられなかなか近づけません。これだから田舎ってやだね。
さて魚籃観音のご尊顔をお見せする前にこの観音様と私の出会いについて書きたいと思います。
新幹線の車窓から
あれは僕が就職活動の為(ヤ◯マー!俺は忘れんぞ…!)に名古屋から東京行きの新幹線に乗っているときでした。
その日私はスーツに身を包み、観光意識0の、苦行のためだけにわざわざ東京まで行かねばならないという状況で、ただただ過ぎ去る景色をぼんやりと眺めていました。
20年が過ぎ去ってしまうのがあまりに早かった。まるでこの新幹線から流れる風景のように、私の一生も駆け足で過ぎ去って…と、感傷に浸っている私の目の前を人型の像が一瞬で通り過ぎて行きました。
こりゃあ就職どころじゃないなと慌てて調べるとすぐにわかりました。その背後を新幹線が通り抜けることで有名な、東善院の魚籃観音像だということが!
さぁ個人的なアレはここまでにして魚籃観音に向かいます。
魚籃観音を擁するのがこの東善院というお寺です。
高さは13メートル。ただでさえ高台にいるのでとても大きく感じますね。
古き良き主婦の姿!
この魚籃観音、その最大の特徴は何と言ってもカゴを持っているところです。
右手でカゴを持ち、左手は添えるだけ。このまましずしずと商店街を闊歩していきそうな、そんなお姿…!
そしてこのご尊顔!まさに何年も同じルーチンワークを重ねてきた主婦の顔!!!
いろんなことに興味をなくすとこんな顔になってしまいそうです。
年季が入った買い物カゴをお持ちですね。
後ろから見ると肩車してる二人羽織みたいに見える。
いや、そんなことよりここで注目すべきは買い物カゴです。よーく見てください。
あっ!魚のしっぽが見える!!!今晩のメニューはお魚ですか。
あとなんか活きのよさそうな野菜が飛び出してますがこれはイレギュラー。
先ほど触れたようにすぐ後ろを新幹線が走っています。東海道新幹線をよく利用する方にはお馴染みかもしれませんね。
像の状態が悪いのはちょっと残念だけど、こうして見るとほんとに生々しくてよくできてますね。ちょっと面白い観音様でした。
神奈川県 小田原 B級スポット 魚籃観音 東善院
公式サイト:不明
住所:〒250-0021 神奈川県小田原市早川482
電話番号:0465-22-1454
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営業時間:不明
入場料:無料
備考:家が恋しくなる