「矢作ダムに行ったことがない愛知県民はいない。」そんな噂が流れているような、流しているような、陰謀渦巻く矢作ダムが今日の話の舞台です。
矢作ダムエリートの私は過去何度もここを訪れています。時には1人で風を感じながら、時には2人で愛を感じながら、時には3人で疎外感を感じながら。いつ訪れても矢作ダムはどっしり構えてらっしゃり、見る度に勇気を頂いています。
そんな恩恵に与りながら今まで一度もこのブログで紹介していなかったので、今日はベルリンの壁、嘆きの壁に次ぐ世界三大ウォールの1つ、矢作ダムをご紹介いたします。
愛知のワンダーウォール、矢作ダムの魅力
私が考える矢作ダムの魅力は以下の3つ。
- 大きい
- 名古屋市内からアクセスしやすい
- 建設時の死者0人
まず大きさについて。高さは100メートル、長さは323メートル。これは愛知県内でも1、2を争う大きさのダムだと思います。大きければ大きいほど評価が高い。まさに男のロマンと言えましょう。
続いてアクセスに関して。矢作ダムは愛知県豊田市閑羅瀬町(しずらせちょうと読むそうな)にあります。ダムなので当然山奥なんですが、名古屋市内からなら高速使えば1時間半〜2時間くらいで到着します。わりとアクセスしやすい場所にあるので、ふとした思いつきでふらっと訪れることが何度もあります。
最後に、ダムと言えばつきものの、建設中の事故による犠牲者です。実際に日本最大のダム、黒部ダムでは100人以上の犠牲者が出ています。一方、矢作ダムは死者0人っぽいです。正確に資料を調べたわけではありませんが、ネットの情報や慰霊碑が見当たらない状況を見ると0人だと思われます。
話は変わりますが、矢作ダム…と言うかダムは全般は、間違いなく心霊スポットのレッテルを貼られます。矢作ダムも例に漏れずいくつか心霊話があるそうですが、自分の知る限りこの辺りで人が死んだとかいう話は聞きませんねえ。矢作ダムへは夜中に来たこともありますが、もちろん心霊体験はありません。愛知で心霊体験を望むなら、平和公園をおすすめします。
というか矢作ダム周辺って道が結構整備されていて、走り屋の方々が頻繁に訪れています。なのでド深夜でない限り結構人がいます。
人は誰もが心の中にダムを持っている。そのダムの中には辛いことや悲しいことが溜まっていく。たくさん溜まるとダムが決壊してしまうから、涙を流して思い出を調節するんだ。
ダム、ダム、ダム、ダム。今や「ダム」と検索するとカラオケのDAMがトップに出てくる時代。人が無くしたダムへの心。あの町この町ダムの町。あーどこですかダムの町。ハァ〜あれは豊田の山奥の〜真実一路の道なれば〜曼荼羅世界の中心に〜勇んで立ちたるダムの壁〜♪
自然の力に抗い立ち、我々のために水量を調節する姿はまさに縁の下の力持ち。死後評価されるタイプ。山岳信仰なんて言ってる場合ではありません。山?川?海?ノンノンノン、一番スゲェのは、自然をコントロールする人間なんだよ!
早速323メートルのダムを渡ります。それにしても微妙なアーチ形状が美しい。これはトンネルと同じで、アーチにすることで圧力を分散させているのだと思われます。しかしダム研究家ではないのでこの説が正しいかは知りません。なので、設計者の趣味かもしれない、という可能性は残しておきます。
矢作ダムの放水は左下の青いところから行われるそうです。「そうです」と言ったのは、実は私はこれまで矢作ダムの放水を見たことがないからです。これまで何度も訪れているのにもかかわらず、ダムの醍醐味を見たことがないのです!
この日もそもそも貯水量が少なく、全く放水するぜって意気込みが見られませんでした。いつか矢作ダムが華麗に放水するところを見てみたいのですが、そのために下調べしたり天候を見たりだなんだとする気力はない。すまん!
地上100メートルの堤頂長から見る景色。意外にもすぐそこには民家がちらほらと。まぁダムが決壊することなんて万が一にもあり得ないと思いますが、ちょっと怖いですよね。ダムのすぐ近くに住むって。
正面。こちらの景色も山ばかり。
ダムの場合は、ダムから見える景色を楽しむのではなく、周囲から見えるダムの景色を楽しむのが正しい楽しみ方だと思います。「ダムから見る」ではなく、「ダムを見る」のです。ダムからの景色なんて、どこも山と川だけです。ありがたみは、ない。
真下を見下ろす。高所恐怖症と言われるけど、高いところが怖くない人なんていないのでは?と疑っています。疑っていましたが、高いところに命綱無しで登るやつの動画を見ると、やはり高いところ、むしろ死ぬことに恐怖を感じない人間もいるんだなと思いました。そのような動画を撮影するやつはだいたいロシア人なので、ロシア人にはそういう遺伝子があるんだろうなと思います。
特にハプニングもなく対岸まで渡りました。しかしまぁどうやってこんな大量の水をせき止める壁を築くんですかね。ダムってのは自然に勝利した人間の姿と言っても過言ではありませんね。リスペクト。ちなみにダムの語源はオランダ語からの派生だそうですね。「アムステルダム」の「ダム」も、マジで「ダム」の「ダム」だそうです。
「DAM」の語源は「Daiichikosho Amusement Multimedia」です。カラオケ店で「DAMにしますか?ジョイサウンドにしますか?」と聞かれたら「Daiichikosho Amusement Multimediaで」と答えると、ツウぶれます。通じるかどうかは不明。
ダム湖。奥矢作湖と言うそうです。この湖の中には失われた家屋がいくつかあるそうですね。ダムに沈んだ村、規模は小さくてもアトランティス的な魅力を感じずにはいれません。
奥矢作湖は一周12キロあるそうです。ゆっくり走ろうの標語も虚しく、この日もバイカーが各所で轟音で轟かせていました。植物に侵食されているところからも、この看板がどれだけ意義をなしていないのかがわかります。この見放された看板が設置されるまでに、どれだけ人々の時間と知恵と勇気とメダロットが費やされたのか知りたい。
周辺を歩いていると、謎の構造物がありました。こういう気になったのは見つけ次第チェックしないと気が済みません。
しかも微妙に階段があり、急な斜頸に備えたロープまであります。いったい登った先に何があると言うのでしょうか。私は胸を滾らせながら、ロープを掴んで上へ上へと登っていきます。まだ見ぬフロンティアを目指して登る登る。
登った先にあったのは林でした。特に何もなしでがっかり。しかし登らずに悶々とするよりも、登ってがっかりした方が良い。やらない善よりやる偽善。そういうこと。
謎の構造物の内部は水溜りになっていました。
せっかくなので道路を見下ろしながら撮影。この道をライダーの方々が轟音をお轟かせながら走り回ります。
もうしばらく散策して見ると、なんかの記念碑がありました。記念碑というか、矢作ダムのすごいところが書いてあるだけですね。「矢作ダムでは貯水や発電を頑張ってるで」というような内容です。
記念碑の下にはバーベキューグッズが備えられていました。記念碑を雨避けにするんじゃない。
傍にはもう一つ記念碑がありました。こちらには工事に携わった人たちの名前が刻んでありました。
一宮のスーパースター、安井くんの名前もありました。君は死刑。
続けて周辺を散策してみたものの、全く収穫がなかったので仕方なくトイレの写真でも撮りました。山奥の公衆トイレは心霊スポット度を上げる重要なエレメントですね。
穴があくほど見つめて穴があいたことはありませんが、透視ならできそうな気がします。昔、女の子に向かって透視するって言ったら「変態!」と罵られたことがあります。服を透視するのではなくて、人体そのものを透視しようと思っての発言だったので、変態と言われて憤慨しました。この能力は人を傷つけるためじゃなくて、人を救うためにあるんです。
締めはダムに全く関係ない植物の写真。先端が赤色で面白いなと思って撮影しました。不思議ですね。
この記事の撮影機材
カメラ:X-T20
レンズ:XF16-55mmF2.8
矢作ダムの詳細情報
公式サイト:矢作ダム管理所 - 国土交通省中部地方整備局
住所:〒444-2841 愛知県豊田市閑羅瀬町東畑67
電話番号:0565-68-2321
場所:Googleマップで見る
営業時間:いつでも見れる
備考:矢作ダム内部の見学ツアーもやってるらしい