大分県です。以前、大分県の山の中にはかなりイケてる穴があるぞという話を聞いたので、新年早々穴に入りに名古屋から大分にまで来たのでした。大分県の中津市から日田市に向けて、国道212号線をツァーっと走りつつ、途中で脇道に逸れた先にあるのが、本日紹介する大石隧道(ずいどう)です。まぁ隧道とか玄人っぽく言ってしまいましたが、要するにトンネルがあるのです。
そしてこのトンネル、今はもう使われていない廃トンネルです。しかも恐ろしいことに、まさに山をくり貫いただけの状態です。言ってみれば皆さんが海辺の砂浜や公園の砂場や大きなかき氷で作ってたトンネルが、そっくりそのまま大きくなった感じです。思い出してみてください。そのとき皆さんが作ったトンネルはどうなりましたか?きっと最後には崩落という結末にたどり着いただろうと思います。この大石隧道はまだトンネルとしての形を保っていますが、まず間違いなく僕らのトンネルと同じ結末に至るでしょう。そんな儚さも感じられる大石隧道の様子をどうぞご覧ください。
目次(もくじ)
山奥の廃トンネル、大石隧道へ
こちらが大石隧道へと続く道。過去には車が走ってた道らしいですが、今となっては完全に無理です。ただ、車で行ける場所からはわずかしか離れていないので、ちょろちょろ歩いていけば汗もかかずに目的地まで着きます。冬の話な。
5分くらい歩くと、倒木の向こう側に巨大な穴が見えてきました。手前の看板は車両通行止めの案内です。過去、ここを車が走っていた証拠ですね。
いよいよ目の前に現れた大石隧道です。ご覧の通り、トンネルというか穴。それも、巣穴って感じですね。私も生き物の1つとして、恐怖を感じずにはいられない穴です。ここから先は穴の写真が続くので、前世がアリだった方は閲覧注意です。
改めて穴をじろじろ眺めてみると、入り口が若干盛り上がっています。これが何を意味するかというと、何らかの原因によってトンネル内に土砂が堆積しちゃってるのです。で、じゃあどこの土砂だと考えてみると、これはもう天井の土が崩落したとしか考えられないのです。実際にネット上の意見を見てみると、「天井の土が崩落して地面に堆積し、トンネルが上昇している」という意見が見られました。
この通り、大石隧道はコンクリートで補強されているわけではありません、完全な素掘りです。さすがにある程度は崩落しないようになんか考慮して掘られたんでしょうけど、このまま崩落するのも時間の問題でしょう。先日の大地震の影響をどのくらい受けているのか気になります。
写真では穴の大きさが伝わりにくいと思いますが、せっかくなので記念撮影してみました。この写真にタイトルをつけるなら「飛んで火に入る夏の虫」ですね。映画ならこの後穴から出てきたモンスターに捕食されるでしょう。
ちなみに山奥と言ってもほとんど車で行けるうえに藪漕ぎなどもないので、このような軽装でも余裕でたどり着けます。しかもこの日の大分は比較的暖かかったので、ダウンジャケットは車の中に置いてきました。
さて夏の虫、いよいよ本丸に突入です。そんなに長いトンネルではない上、直線なので出口が見えます。それでも内部は暗いので、スマホで照らしながら行くと良いでしょう。そういえば去年も年始に廃トンネルを探検していたことを思い出しました。長い廃トンネルだと、途中で太陽光が遮断されて完全なる暗闇を堪能できるから良いぞぉ。皆さんにも年の初めには廃トンネルで太陽光を遮断して光のありがたさを感じつつ、内なる自分と見つめ合ってみることをおすすめします。
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しかしこの地面に堆積している土の感じを見ると、やはり埋め立てられたor天井が崩落した感じです。こんなところを中途半端に埋めたてる必要もないと思うので、まぁ崩落一択ですね。
地面の土。間違い無くこれは天井から落ちてきた土でしょう。
これは壁の土。マジで何の補強もされていないので、触るともろもろと崩れていきます。やばい。
その他、トンネル内部で特に異常はありませんでした。
ところで大石隧道は心霊スポットとも呼ばれているようなので、心霊スポット委員会の出番です。いろいろ調べてみてもここで事故があったという記録はありませんでした。したがって、雰囲気で心霊スポットと呼ばれているだけのエセ心霊スポットです。ただ、これから誰かが崩落に巻き込まれて落命する可能性は十分あるので、その際には正式に心霊スポットとして認められると思います。
トンネルを抜けるとそこは入ってきたときと同じような景色でした。
振り返って今でてきたところを撮影。こっちは崩落が激しいですね。天井の地面がせり出てるし、穴が1/3くらい埋まっちゃってますよ。
しかも見上げれば今にも落ちてきそうな岩、そして木。これはまずいですよ。こんな素敵なスポットを心霊スポットにしてたまるかというわけで、再び穴の中に身を投じて安全圏まで脱出しました。
てなわけで危険ながらに面白いスポットでした。訪問の際には是非とも前後左右上下に気をつけて楽しんでください。
この記事の撮影機材
カメラ1:RX100M3
カメラ2:DP3Merrill
大石隧道の詳細情報
公式サイト:ないよ
住所:大分県中津市
電話番号:何言ってんの
場所:Googleマップで見る
備考:特になし