大分県と宮崎県と熊本県の境目らへん。どちらかと言うと熊本県内、阿蘇山近くです。この山奥の秘境の地には、滝と呼ぶには少々物足りないけど「清水滝」と呼ばれる場所があります。ここは新興宗教団体「日本敬神崇祖自修団(にほんけいしんすうそじしゅうだん)」の教祖が修行をし、悟りを開いた地なんだそうです。修行場には、建物と合体した大きな白い巨象の像や、鬼のコンクリート像などがあり、一層怪しい雰囲気を醸し出しています。
どうも数ヶ月前まではまだ建物がちゃんと残っていたようですが、私が訪れた時には写真の通り、一部が崩壊していました。もともと怪しいスポットだったのが崩壊のおかげで更に怪しく、そしてより危険な場所と化しています。その雰囲気といい、新興宗教団体教祖の修行場というバックボーンといい、非常に興味深いスポットだったのでたくさん写真を撮ってきました。是非最後までご覧ください。
目次(もくじ)
清水滝へのアクセスは超絶困難!
これが阿蘇山かな?九州らしい荒々しい山を尻目に、国道265号線を南西に爆進します。休暇村南阿蘇あたりで脇道に逸れると清水滝への案内が出てくるので、その通りに進みましょう。
するとこうだ!もはやここに文明はない!しかも車幅が非常に狭い!その狭さ、これ車で入れる道なのか!?と疑わしくなるほどです。とりあえずアスファルトが続いている限りはなんとかなるだろうと、この細く狭い心細い道を進みます。まぁ、この道はほとんど清水滝に行く以外で利用用途のない道なので、対向車に出くわすこともほぼありえないでしょう。
しばらく行くと改めて清水滝への案内板が出てきました。この看板以前に、「火山活動活性化のため立入禁止」的な、しかも最近置かれた感じの看板があった気がしましたが、まぁ気のせいでしょう!
更に進むうちに、堅気の動物とは思えない動物の糞がありました(まぁ、たぶん牛だけど、ロケーション的には今にもバッファローなんかが飛び出してきそうな感じ)。こんな細い道で出くわしたら逃げられない。もうほんと怖くて心細くて泣きそうになりながらも進みます。
するとなんとか駐車場らしき場所にたどり着きました。車両進入禁止とあるので、やはりここまでは車道だったんですね。写真左手に遺構があります。この辺には以前、清水滝を解説する説明板が掲げられていたそうです。
こちらのサイトにその時の内容が掲載されていましたので紹介します。
【参考】清水滝と白い象:気ままな車内泊一人旅Ⅳ:So-netブログ
要するに清水滝とは、のちに日本敬神崇祖自修団の開祖となる戸次貞雄さんが、10年くらい修行して悟りを開いた場所なんだそうです。で、戸次さんには奥さんと3人の子供達がいたそうですが、このように修行に明け暮れていたのであまりかまってやれなかったそうです。晩年、その後悔から家族を仏像に見立てたコンクリート像などをこの地に作ったんだと。それが昭和38年のことなので、1963年。40年以上前なんですねぇ!
そんなわけで清水滝へ。途中の道も崩壊してしまったようで、これまた心細い木の板が置かれていました。ここも一部は新しめの材料を使っていました。ドキドキ。
新興宗教団体の修行場?清水滝周辺を調査
うわぁ…。見えてきました。噂通り、象の像です。
倒壊した建物が象の上の仏像にもたれてしまっています。像が落ちる可能性もありますね。
っていうか入り口に正月飾り。私がここに訪れたのが1月4日の話なので、つまり2017年を迎えたわずか数日のうちに、この場所に管理者か誰かが訪れたのですね。こんな状態になりながらも、まだ現役みたいです。
像の上に開祖の子供達だと思われる3人の像がありますね。そしてこの写真だと後ろ向いてますが、奥さんらしき像も見えます。
川辺に降りて建物を見る。木造とコンクリが合体した建物になっていて、木造部分だけが倒壊しています。よくもまぁこんな土地にこれだけ巨大な家を作ったもんだ。
背後から見るとえらいことになってます。これ、老朽化による倒壊なのだろうか?震災の影響かと思いましたが、調べてみるとそれ以前には崩れたっぽいですね。
引きで見ると土砂崩れかもしれませんね。室内のものが溢れ出してますしね。そして像の後ろにはヒキガエルのようなコンクリ像もあります。
白象に関しては、仏教とそれなりに関係があるものなのでわかりますが、カエルはわかんないや。
そしてこれが清水滝。水回りが恐山で見た感じの色してるので、酸性なんですかね。
ところで、例の教祖様はここで滝行してたんですよね。とても滝行い適しているとは思えない水量なのですが、減ったのかな?
滝から振り返る。地面の土砂が火山灰っぽいのが非常に気になりつつ、視線を奥にやれば赤鬼がいます。
顔が怖いコンクリート赤鬼像
この顔はやばいだろ…。この薄暗く、人の気配がない場所で、こんな顔した赤鬼に見下ろされた時の恐怖と言ったらないよ。しばらく動けなくなりました。
タイガーパンツ。チャンピオンベルトみたいですね。
対岸には別のコンクリート像と洞窟が
川を挟んだ対岸にもコンクリート像があります。頑張って川を渡って行ってみました。
やたらと掲げられる日本国旗と洞窟
さて、対岸に渡ってみると洞窟があるのですが、なんと立入禁止になっているではありませんか。洞窟はもう目と鼻の先。しかも日本国旗が2つも掲げられていて、すごく気になります。気になるけど立入禁止と言われればしょうがない。しょうがないのでこれ以上は立ち入らずに透視してみたところ、そんなに広くない洞窟の中にこれまた象の頭にあったような仏像が3体置かれていました。お供え物もあって、これがまた置きたてって感じのものでした(笑)
かなーり堪能したので帰ります。いろいろと謎だらけですが、それが逆に興味をそそる素晴らしいスポットでした。ちなみに日本敬神崇祖自修団は福島県に本部があるらしいので、こちらもいつか訪れてみたいと思います。しかし本部から離れたこんな山奥で、未だに参拝に来る信者がいるってすごいですね。
投棄しとる!
帰りもまた地獄
帰りもまた、例の細道を通ります。熊本雄大すぎます。
時速5キロくらいで改めて泣きそうになりながら車を走らす。でもなんだか来たときよりも気持ちは充実。ええもん見たわ。
この記事の撮影機材
カメラ1:RX100M3
カメラ2:DP3Merrill
カメラ3:iPhone7