バイクと長野のADDress拠点
ADDressは2019年4月にスタートしたサービスです。以降、サービスのリニューアルが度々行われてきました。最近では2023年1月末に、料金プランが大幅にリニューアルされました。
この記事では基本的に最新の情報を紹介しています。ただし、私が利用したのは2020年8月〜2022年2月頃(途中一時解約)なので、私が利用した際の感想は現在と若干異なる可能性があります。また、掲載している拠点の画像も現在は利用できない可能性があります。
2020年8月1日、私はADDress(アドレス)という住み放題サービスを契約しました。それまで契約していた家を解約し、最小限の荷物をバイクに乗せて全国放浪の旅に出かけたわけです。
- 日本全国の空き家や提携宿泊施設に滞在可能
- 月額9,800円から利用可能
- 契約プランに応じて、月2泊〜30泊可能
- 最低3ヶ月の縛りあり
- 解約時は25日前の通知が必要
- 同伴者5名まで無料利用可能
【拠点一覧】家一覧・予約サイトトップ | 住まいのサブスク - ADDress
それから2022年3月まで、およそ1年以上をADDressで暮らしました。契約を悩んでいる人に向けて、使ってみてどうだったのかをレビューしていきます。
目次(もくじ)
重要:料金プランによって宿泊できる日数の上限が変わる
ADDress藤巻温泉拠点にあった唐辛子
2023年1月に行われたリニューアルにより、契約するプランによって月に利用できる宿泊日数が変化するようになりました。
毎月1日にプランに応じた「チケット」が付与されます。このチケット1枚につき1泊分の予約ができるシステムです。未消化のチケットは最大6ヶ月間繰り越されます。
プラン名称 | チケット付与数 | 月額料金(税込) |
---|---|---|
2枚プラン | 2枚 | セール中!初月4,800円 |
5枚プラン | 5枚 | セール中!初月13,800円 |
10枚プラン | 10枚 | セール中!初月29,600円 |
15枚プラン | 15枚 | 54,400円 |
30枚プラン | 30枚 | 99,800円※ |
※:初月のみ199,600円の60枚プランに変更可能。1度に60枚付与されるので、翌月分の予約もできるシステム。
もしも家をなくしてADDressだけで暮らしたい!という場合は、30枚プランorオプションの60枚プランを契約すればまさに住み放題になります(31日の月はあと1泊どうにかして)。
リニューアル前の料金は住み放題で月額44,000円(税込)だったので、それと比較すると単純に2倍以上の値上げです。とはいえ以前のプランでは「1度に予約できる宿泊数は14日間まで」「1つの拠点につき、月に累計14日間を超える滞在不可」という制約があり、実質的にADDressだけで暮らすのはかなり厳しい状態でした。
しかし今回のリニューアルでこれらが撤廃されたため、料金さえ払えばADDressだけで暮らすのも難しくなくなった印象です。さらに月に数泊のライトなプランも登場したことで、ライトユーザーにとっては値下げになったとも言えます。
宿泊費を抑えながら全国を旅するには併用が良いかも:
30枚プランの場合、1泊あたりの料金は3,326円です。しかしゲストハウスやカプセルホテルレベルなら、もっと安く泊まることもできるでしょう。なので、少しでも料金を安くしたいなら10枚や15枚プランを契約して、時々ゲストハウスなどに泊まるのも良いと思います。
しかし10枚プランだと1泊あたりは3,960円になります。チケット枚数が少ないプランだと1泊あたりの価格が上がるので、なかなか判断が難しいところでしょう。
自分が今から入会するとするなら「ひとまず15枚プランあたりを選び、基本は安いゲストハウスを利用しながら、良い安宿がない時はADDressを使う」といった感じになると思います。プランは毎月変更できます。
「予約が取れない」は本当?
ADDress宇城拠点は本がやべぇ
予約の取りやすさについて。自分が利用していたときの初期では、人気の拠点では予約が殺到してしまって、予約が取りにくいことはありました。
ただ、その後拠点はどんどん増えていきました。私が使っているときも、格段に拠点数が増えたため、特別人気の高い拠点じゃなければ、次第に予約の確保に難儀することは少なくなっていった印象があります。
使わない時は休会もできる:
ADDressは月額課金制ですが、使わない場合は休会申請することで、申請日の翌月はサービスを停止することができます。休会回数は6回(6ヶ月)までです。
ADDressのメリット(良かったこと)
ADDress尾道拠点はマジでロケーション最高
では1年以上を経てADDress生活でのメリット、良かったことを紹介します。
居住コストが安く済む
ADDress京都拠点は銭湯リノベのコワーキングスペースが使える
ADDressの料金には水道光熱費、インターネット料金などの費用も含まれています。30枚プランだと月額99,800円(税込)なので高く感じますが、たったこれだけの料金で日本全国の家を利用できるのはかなりコストパフォーマンスに優れていると感じられます。
基本は個室なのでプライベートが守られる
ADDress倉敷拠点の個室内部
ADDressで利用できる施設は基本的に個室です。そのため他の利用者がいても一人になれる空間が確保されています。
また、利用する家の構造にもよると思いますが、これまで特に騒音等が気になることもありませんでした。
一方で問題点を挙げるならセキュリティは要注意です。例えば古い空き家の場合、各部屋には鍵がついて(もしくは内からしか鍵をかけられない)いないこともあります。不特定多数が出入りするからこそ、万が一のためにも貴重品の管理はしっかりしておく必要があります。
家族や同伴者5名は無料で利用可能
大分拠点周辺の飲み屋街
ADDressでは同伴者5名まで無料で使えます。
血縁関係は必要なく、友達でも恋人でもいけるのがすごい。
ただし、拠点によっては収容人数に上限があるので、4人家族とかだと利用できない可能性もあります。基本的には2名までのことが多い。
ADDressを別荘として使う:
ADDressはフリーランスの利用者が多いと思いますが、会社員にもおすすめです。例えば土日に家族と一緒に田舎のADDress拠点を使う、といった感じで、週末別荘として活用できます。
日本全国住み放題はやっぱり最高
ADDress大分拠点近くの居酒屋で描いてもらった激似似顔絵
これは感覚的なメリットですが、やはり知らない街で、知らない家で暮らす、というのは刺激的で楽しかったです。この後でADDressのデメリットについても解説していきますが、間違いなくADDressを使って良かったと思っています。
ADDress拠点には自分だけでなく他の利用者、家守(管理人)もいて、人と人の出会いもあって、さらに地域のお店の人たちと仲良くなったりすると、もはやそこに定住したくなる気持ちも湧いてきます。
また、特に田舎の拠点では地域の人にも「あそこの物件にはADDress会員の人が出入りする」という認知がされていることが多いようで、地元の人たちも刺激を求めてか、交流しにきてくれることがありました。
今日はADDress宇城拠点の風呂と廊下を掃除。なかなか頑張った。綺麗になって気分良く買い物行こうとしたら、隣家のおっちゃんが話しかけてきて、チャボの卵くれた。今朝産みたてだって。これが幸せの形だよな。#ADDresslife pic.twitter.com/JCCxeP51yD
— 斎藤ポポポ (@saitoh_ppp) February 5, 2021
ADDress利用者という共通コミュニティに属せる
ADDress大分拠点で食べた朝ごはん
これも本質とは外れるメリットかもしれませんが…。ADDress会員という共通点があることで、オンラインオフライン問わず、繋がりが増えます。
もちろんあくまで副次的なメリットなんで、コミュニティのためだけに契約するのはコスパ微妙だと思いますが。ちなみに最近は「部活」なんかも登場して、ADDress会員同士で一緒の趣味を満喫しているそうです。
ADDressのメリットはソフト面が主かも:
書いてて思ったんですが、ハード面つまり「月額料金で全国に住む」という提供サービスだけを見ると、いろんな制約や管理の行き届いてないところもあって「100点満点!」とは言い切れない部分もあります。しかし、ソフト面「ADDressを通じて出会う人」「その地域の魅力の発見」みたいな数字に現れない魅力がとても大きく、これこそがADDressのメリットだと思います。これはもう体験しないとわからないので、説明が難しいですね。
ADDressのデメリット(悪かったこと)
デメリットイメージ画像のクセが強い
てなわけでデメリットも紹介します。正直なところ、ADDressを契約してハッピーになれるかどうかの意見はかなり分かれると思います。その理由をデメリットとして紹介していきます。
家守(管理人)次第で拠点のクオリティが左右される
倉敷のADDres拠点
何度か言及していますが、各ADDress拠点には「家守(やもり)」という名の管理人がいます。この人が物件の予約の処理や備品の管理、共用部の清掃等を行っています。そしてADDressで良い体験ができるかどうかは、この家守さんによってかなり左右されました。
例えば住み込みだったり、頻繁に顔を出したりする場合は室内も清潔であることが多いです。しかし中にはほとんど顔を出さない方もいます。
こうした拠点の場合、「誰がゴミ捨てするのか」「共用部を誰が掃除するのか」という問題になります。実際私が夏場に訪れたある拠点は、溜ったゴミの周辺に虫が湧くという最悪な状態でした。部屋内にはゴキブリがいて、彼と一夜を共にしました。
もちろん田舎だったり古い家だったりすれば虫がいるのも当然です。しかし明らかにこれは古いから虫がいるのではなく、メンテナンスされていないから虫がいるという状況もあり、とてもがっかりしました。
また、レビュー等でも「シーツが洗濯されてない」「タオルがない」など、備品が欠けていることを指摘しているものを何回か見ました。
ADDressはあくまで住居の提供であり宿泊施設ではないので、ある程度の清掃や管理は自分でやらなければいけません。しかし滞在する日数の中で共用部を全て掃除したり、指定日も収集場所もわからないゴミ捨てを行うのは難しいです。だからこそ最低限のクオリティを保つために家守がいると思うのですが、その辺が機能していないこともちらほらあります。
最悪な物件はレビューで改善される:
ADDressにはレビュー制度があります。運営側もこれを参考にしているようで、評価が低い場合には改善に乗り出すことがあるようです。例えば上記に挙げた最悪だった物件は、家守さんの交代によって人気拠点に生まれ変わりました。逆に言えば、不満点があればレビューにしっかりと残すと良いでしょう。
- 虫が苦手
- ルーズな人がいるとイライラする
運営側の問題だけでなく、利用者にしても「台所にゴミを残していく人」とかモラルに問題がある人がやっぱりいます。そういう時に、「腹が立つから自分も残してやる」と考えるような人は向いてないと思います。(というか利用しないでほしい)。例え前の住人のゴミがあっても自分で処理するような、「憎しみの連鎖は俺が断ち切る!」という主人公マインドを持ちましょう。
移動手段がないと不満かも
ADDress岡山拠点とバイク
ADDressは全国に拠点があります。しかし、地域によって偏りがあります。例えば都内のADDressを公共交通機関によって周るのはそこまで苦ではないと思いますが、九州のADDress拠点を公共交通機関で巡るのは厳しいかなと思います。
私の場合バイクがあるからこそほとんどADDressだけで暮らすことができたと思います。例えば名古屋から東北に向かう際、私は名古屋(実家)→長野拠点→神奈川拠点→茨城拠点→栃木拠点→東北と、ADDress拠点だけで渡り歩くことができました。バイクでもそれなりに大変でしたが、公共交通期間となるともっと大変だろうと思います。
家を持っていて、別荘としてたまにADDressを使うなら移動手段がなくても問題ないと思いますが、家をなくしてADDressだけで過ごすなら、移動手段がないと満足に利用できず無駄にコストがかかる可能性が高いでしょう。
- 移動手段を持たずADDressだけで生活しようと考えている人
ただこれはあくまでADDressの利用目的や頻度、地域の交通網にもよるので一概には言えません。
急に使えなくなる拠点がある
急に使えなくなった俺のXperia Z Ultra(懐かしい)
「新しくXX拠点がオープンしました!」という連絡は逐一もらえるんですが、一方で使えなくなる拠点については特にアナウンスなく、いつの間にか一覧から消えます。
まぁ実際のところ、「あれ?ないじゃん?」で済むし別に実害はないんですが、こういうことがあると「いつか急に使えなくなるリスク」を想定しなければいけないので、それはまぁちょっと嫌だなぁと。
場合によっては予約してたのに、「ごめん使えなくなったからキャンセルするね」ってことになる可能性もあるようです。こちら側にも予約をキャンセルできる権利がある以上、ADDress側にもキャンセルする権利はあると思うので批判はできません。ただサブスクサービスである以上、いきなり消えるのは渋い。
もちろんコロナの影響もあるでしょうから、どちらかと言うと今がイレギュラーなのかなって気もしますし。同様のサービスであるHafHにおいても急に予約できなくなることもあるので、まぁ仕方ないのかなと思います。
予約キャンセルは無料:
予約のキャンセルは「到着日の24時」まで可能です。ただし、「到着日の3日前の正午」を過ぎたキャンセルを繰り返すと、ペナルティの対象となるようです。「繰り返す」に関する明確な基準やペナルティ内容については公開されていません。
なお、どのようなキャンセルでも違約金などは発生しません。無断キャンセルでなければ、チケットも戻ってきます。
補足:定住者がいる拠点については悪い噂を聞くこともあった
私のADDressでの生活は西日本が中心で、特に田舎が多かったです。老若男女様々な会員と出会い、みんな本当に良い人・面白い人ばかりでした。会員同士のいざこざだったり、ストレスに感じたことは全くありませんでした。
ただ、関東の物件に関しては悪い噂も聞きます。ADDressには「専用ベッド」というプランがあり、これを契約すると自分専用のベッド(ドミトリー)が与えられる仕組みです。特に関東の物件ではこの「専用ベッド」契約の人が多く、シェアハウスのようになっています。
そうした中で、ドロドロした人間模様だとか、定住している会員と一般の会員とのいざこざとか、そういった悪い噂を聞くことはありました。
ADDressを使ってみた感想まとめ
富士山とバイク
そんなわけで1年以上もお世話になっているので良いところだけでなく悪いところにも目につきますが、少なくともこの1年間はとても楽しく刺激的な生活が送れて、満足しています。
そもそもADDressがなければ今のような生活はできませんでした。例えばGoToトラベルを利用して各地で安くホテル暮らしする、なんてことはできたでしょうが、この1年間ADDressを通して出会った人たちや体験と同じようなことはできなかったんじゃないかと思います。バイクに乗って一人で旅する中でも、「一人じゃない」と感じられたのは間違いなくADDressがあったからでしょう。
ただ、あくまでADDressはきっかけを与えてくれるだけであり、そのきっかけを生かすも殺すも自分次第です。結局のところ、「なんでも楽しむ」というおおらかなマインドを持たずただ損得勘定するだけだと、あんまり楽しめないかもしれません。
ADDressに関するよくある質問
これまでADDressや他拠点生活について質問を頂く機会があったので、回答をまとめておきます。
【お問い合せ】お問い合わせ | いたみわけブログ
他の人との交流はどのくらいある?
交流の有無は「拠点による」という回答が最も正確だと思います。これまで「ほぼ誰もいない拠点」も「必ず誰かいる拠点」も経験してきました。その中間くらいの拠点もありました。また、どのような拠点にしても基本的には個室が与えられているため、一人になることが可能です。
住民票の登録や荷物の受け取りは可能?
専用ベッドプランを契約した場合のみ、該当する拠点に住民票を置くことができます。
専用ベッドの場合は予約という扱いではなく、その拠点に定住できます。その上で他の拠点を楽しむこともできるため、例えば実家に荷物や住民票を置けないなど事情がある場合におすすめです。
専用ベッドプランは拠点によって価格が変わり、またルールも多少異なります。詳しくは下記公式サイトをご覧ください。
また、荷物に関しては滞在先の住所で受け取りが可能です。移動する際に荷物を発送して、次に拠点で受け取る、ということが可能です。
洗濯機はある?
ADDress直営の拠点なら洗濯機・乾燥機が必ずあります。定型拠点の場合、少なくとも洗濯機は必ずありました。だいたい1回利用するのに200円くらいかかります。洗剤を持参した場合は無料で使えることもあります。
他にも調理道具など、生活していくうえで必要になるものは大体揃っていると思います。
ADDressだけで暮らすのは大変!HafHもおすすめ
1月の沖縄は最高
私はADDressだけでなく、HafHという似た別のサービスも併用して家を持たない暮らしをしています。ADDressについては以上の通りですが、HafHについてもぜひ比較検討してほしいサービスです。
HafHの拠点は世界中にあり、国内でも各県に2箇所以上はある感じです。コストパフォーマンスはADDressほど優れていない印象ですが、時にはプリンスホテルのようなラグジュアリーホテルにも泊まれます。
また、ADDressと違って最大滞在日数に応じたプランがあって、毎月プラン変更できるのも魅力。私は1月になってADDressを休会しつつHafHのプランを無制限プランにアップグレードし、1ヶ月間の沖縄滞在を楽しみました。HafHについては下記の記事で詳しく解説しているので、こちらをご覧ください。