岡山の道を走っていると…
岡山県岡山市に来ました。県道45号線を走っていたら、お城のように派手な謎物件が見えてきました。
ネットを検索しても全く情報がなかったので躊躇しましたが、門は開放されていてウェルカムっぽいので入ってみることにしました。
岡山県を走っていたら素敵な外観の建物があったので見学。60歳のおじいさんが15年かけて一人で作り上げたセルフビルドな資料館でした。地域に伝わる海難事故伝説の慰霊や館長の先祖の資料展示など、様々な思いを込めて建設したそうです。猛暑の中1時間以上かけて説明して頂き感謝。 pic.twitter.com/JG9ZC2pmXI
— 斎藤ポポポ (@saitoh_ppp) August 9, 2020
目次(もくじ)
不穏なファーストコンタクト
うろたえずに入るぜ
とりあえず門は開いていて、「うろたえてはいらないでネ」という張り紙もあり、ウェルカムムードを感じました。であれば何も問題ないので、バイクで突撃。
おしゃれな外観
門を潜って入場したら、おじいさんが一人いらっしゃったので見学させて欲しい旨を伝えました。すると「…名刺は?」と言われ面喰らう。名刺なんてねぇよ!
なんだかものすごく警戒してらっしゃいましたが、ただの旅行者であること、気になったので見学させて欲しいことを説明したら承諾してくれました。
後々知ることになりましたが、この施設を作る際に自治体と揉めるといった経験を重ねたそうです。そういったことから部外者には用心深くなっているのかもしれないと思いました。
不穏な張り紙
例えば「此の工事は妨害者のため四年おくれてます」なんて張り紙がありました。これに関して詳しい話は聞いてませんが、おそらく「妨害者」というのは過剰な表現なんじゃないかなと思います。ちょっと言葉を選びますが、言葉の節々から被害妄想が強めな印象を受けました。
結局ここは何?
電話ボックスに「八浜資料館」の文字
で、ここは何の施設なのか。おじいさんの説明や見て回ったところによると、主に以下の5つのコンセプトからなる施設のようでした。
- おじいさんの親族の資料館
- 七人岬伝説の慰霊
- 展望公園
- 観音堂(宗教施設)
- 毛利水軍の史跡
そしてこれらの施設を、60歳の頃から15年かけて一人で作り上げたそうです。現在のおじいさんの年齢は85歳なので、完成から10年が経過していますが、未だにこの施設に通っては何か作業をしているようです(住んでいるわけではない)。
1つずつ紹介していきます。
八浜資料館
八浜合戦岬八浜資料館
おそらくメインコンテンツだと思われるのがこの八浜資料館(「八浜戦時館」だったり、めっちゃ表記揺れしてる)。ここは鍵がかかっているので、おじいさんがいる時しか見学できないと思います。
おじいさんに施設の奥地へと誘われていきます。
遺棄された家電がタイムトンネルの入り口…?
家電や化粧台などが放置されているエリアを抜けて建物の内部に向かいます。
内部はたくさんの展示物がありました。そのほとんどが、案内してくれたおじいさんの「おじ」の方の遺品などだそうです。
いろいろ説明して頂いたんですが、ほとんど忘れてしまった。申し訳ない。でもこの狭い空間に猛暑の中数十分間いたので、お互い滝のように汗を流していたことはよく覚えています。
七人岬伝説の慰霊
四国や中国地方には、「七人ミサキ」という言い伝えがあるそうです。その内容は様々あるんですが、共通しているのは7人組の悪霊が現れるということ。
その七人ミサキ伝説の慰霊のためにこの施設を作った、という話も聞きました。写真には撮っていませんが、7体の地蔵がありました。
展望公園
展望公園入り口
これは後からついでに作られたのかもしれませんが、展望台というか、高台があります。
通路が狭い
特別景色が優れているわけではありませんが、この施設を一望することができます。ただご覧の通り、足場が狭い上記画像の右下あたりが通路です。しかもおじいさんのセルフビルドなので柵の強度は安心できず、ちょっと怖い。
この橋渡るべからず
この展望台から先ほどの資料館に行くことができるんですが、こちらは足場が怖すぎる。
上から見るとよくわかる旧道
ちなみにこの施設、元々旧道だったところに建っています。上記画像の通り、元々はピンクの部分が道路でした。
そんなわけで高台から見ると、通路が微妙にカーブしていて旧道だってことがよくわかる。
残された当時の電柱
当時の電柱らしきものもありました。
観音堂(宗教施設)
観音堂があります。内部は見せてもらえなかった(ただ要求もしていない)ので、非公開なのかも。
毛利水軍の史跡
最後。展望台の近くに、「毛利水軍見張り穴」なるものがあります。この穴に関する詳しい説明は忘れましたが(ひどい)、非常に印象に残っています。その理由は以下の通り。
ゴミでできた岸辺
もはやゴミが陸地となっています。これは流れ着いたというよりも、おそらく足場として使うために持ち込まれたもの…。なぜなら足の踏み場を作るために、カーペットで覆われている部分があるからです。こんなちょうどよくカーペット流れつかんでしょ。
どれ?
うへぇと思いながら進むと、穴らしきものが。これが水軍の見張り穴…?
よくわかんなかったけど熱いパッションは感じた
わからなかったけど、すごかった
強引なまとめですが、結局のところ乱雑でよくわからん、という感想になってしまいました。でも、おじいさんが15年かけて一人で作ったってんだから、終着点が「よくわからん」になるのも不思議ではないと思います。
確か最初は八浜資料館としてオープンすることを目標としていた、みたいな話を聞きました。それを目指す中で考えが派生、飛躍していったんですかね。
最初は面食らいましたが、気づけば1時間以上も、熱心に語ってくれました。ありがたいことです。お元気で。
いいよね、セルフビルド
今回のように、一「人の人間が思いのままに頭の中のものを具現化していった結果なんかすごいのができた」という施設は日本各地に結構あったりします。
中でも圧巻なのが、三重県の山奥にある夢の泉。こちらはアート寄りの施設で、超芸術作品がずらっと並んでいます。残念ながら製作者は亡くなってしまったので未完で終わってしまいましたが、一見の価値ありのおすすめスポットです。
この記事の撮影機材
カメラ:RX100M7
八浜資料館(七人岬地蔵尊)の詳細情報
公式サイト:なし
住所:〒702-8011 岡山県岡山市南区郡1868−1
電話番号:なし
場所:Googleマップで見る
営業時間:わからん
入場料:無料
駐車場:敷地内にあり(狭いよ)
備考:話せばわかってくれます