中国は青島でございます。青島国際空港からそう遠くない場所に、青島城陽宝龍城市広場なる場所があり、その中に青島宝龍楽園と呼ばれる巨大ショッピングモールがあります。2009年に開業したこの巨大なモール内には、多数のテナントと、さらに屋内遊園地までがあるというから驚き!早速ショッピングを楽しんできました!
…と言いたいところですが、実はここ、2017年現在ではほぼ廃墟と化しています。閑散とした巨大ショッピングモールの内部を堪能してきたので、多数の写真をご覧ください。
今回も中国旅行のエキスパート@SoftlyXさんにご案内頂きました。この物件は氏の著書、中国遊園地大図鑑 北部編にも掲載されています。興味が湧いたら是非本を読んで追体験を!
中国の生ける廃墟、青島宝龍楽園
生ける廃墟と言えば日本で有名なのが、滋賀県のピエリ守山ですね。モールの営業そのものは継続しているのに、テナントがほとんど入っていないので、何もない空間が広がっていて、SNSで話題になりました。今となっては息を吹き返しているそうですが。
中国の生ける廃墟こと青島宝龍楽園も、営業はしているので誰でもウェルカムなのですがご覧の有様です。だだっ広い空間に無数の空きテナント。
そしてふと頭上を見上げればこれです。天井が崩落しています。ピエリ守山は生ける廃墟と言われながらもきちんと管理がされていたようで、建物の状態が劣化している話は聞いたことがありませんでした。
ところがこちらはさすが中国と言うべきでしょうか、建物の状態も間違いなく廃墟に向かっています。壊れた天井からは雨水が漏れ落ちます。もはや生ける廃墟どころか、廃墟を無理やり生かしている状態です。ゾンビモールです。
さあ、行こうぜ(中島みゆき)
中国ならではのディストピア空間がそこに
こちらはモール内にある遊園地。ご覧くださいこの光景を。円形のモールの中心に存在する大掛かりな遊園地を。この広い空間に響くのは自分の足音だけ。遊園地にふさわしい賑わいは全くありません。
この廃墟遊園地の規模は広大で、地下1階から3階まであります。直径的も東京ドームに負けない大きさだと思います。
あ、写真下部に歩いている女性がいます。彼女はお客さんでしょうか?それとも残り少なくなったテナントに入居している関係者か?ちなみにこのモール内には、一応警備員らしき人もいました。写真をバシバシ撮っていても特に何も言われませんでした。
屋内を縦横無尽に走るジェットコースター。これは楽しそう。果たしてこの遊園地が子供の声でいっぱいだったことはあったんだろうか…。
時が止まった遊園地は不気味すぎる。現実から目を背けても、その前に広がる光景はまたも廃墟。これだけ広大な廃墟だと不安になります。しかもここは異国の地。初めて廃墟に侵入した時のような、そんな興奮がありました。
カリブの海賊をコンセプトにしたとか聞いたような聞いていないような。水が流れるエリアもあったようですが、現在は淀んだ汚水が溜まっていたり、そもそも干上がっていたり。
どくろコースター(ドンキーコング2)。
見上げれば幾何学模様が美しいドームの天井。今となってはこの天井からも雨漏りが。
汚水と猫ピ。
広大な合法廃墟に胸が踊り、長時間堪能しました。
では地下1階に降り立ち、この遊園地廃墟と戯れよう。
暗い。そう言えばこのモール、電気代を払うのももったいないようで電灯やエスカレーターはほぼオフになっています。よって地下が暗い。
暗い。
ここまでくるともはやスマホの懐中電灯がないと、まっすぐ歩けない。怖い。しかもこんな状態なのになぜか人がいたりするし。
遊園地に降り立ちましたが、まぁ稼働していないし、一応警備員らしき人もいたので勝手に乗り物に乗り込むわけにもいかないし、ただうろうろするだけ。
ただ雨漏りに当たるだけ。
稼働しているゲームセンターもあった。しかしこの日はずっと体調が悪かったので、ベンチで休んだ。ベンチに座っていると、親子連れとか、携帯ゲームで遊んでる少年グループとかがいた。彼らは、なに?
中国政府はなぜゴーストタウンを量産するか?
余談を。
今回の中国旅行で印象的だったのはひと気のない巨大マンション群です。中国は人口13億人ですから住宅の需要が高いのはわかります。しかし、過剰すぎやしないか?と思ってしまうほど、どこかしらで高層マンションが建設されています。
あまりに同じようなマンションがコピペされてて異様だったので、ちょっと調べてみました。どうやらこれ、地方政府がその地域の総生産を上げるために建ててるっぽいのです。つまり住んでもらうためにマンションを建ててるんじゃなくて、建てること自体が目的っぽいのです。
まぁ正確なことはわかりませんがね。ただ今回紹介した青島宝龍楽園も、Googleマップで見る限り、高層マンションが立ち並ぶ都市圏の中心にあります。それなのに開業からわずか8年で廃墟化したところを見ると、やはり人が住んでいないのかなと思います。面白いですね、中国って。
この記事の撮影機材
RX100M3
青島宝龍楽園の詳細情報
公式サイト:なし
住所:不明
電話番号:不明
場所:Googleマップで見る
営業時間:不明
入場料:無料