2016年1月1日、新年早々私は三重県の山奥にいました。携帯の電波も通じず、人っ子一人いないこの場所になにやら怪しげな人工物があります。これこそが近鉄大阪線の廃駅、通称「旧東青山駅」です。
1975年ごろに新しいトンネルが開通したことにより廃駅となり、現在の東青山駅に移転した経緯を持ちます。今はもう完全に使われておらず、遺構もほとんどありません。最近では心霊スポット扱いもされているようです。この旧東青山駅について紹介していきましょう。
アクセス難航!東青山駅から徒歩1時間くらい山道を行く
こちらが現東青山駅
旧東青山駅への行き方は、基本的には東青山駅から廃線跡を辿っていく方法になります。ただ、それだと立ち入り禁止区域に入ることになるので、東海自然歩道というハイキングコースから辿る方法をおすすめします。
ハイキングコース経由で行くと、途中で廃線跡と交差するので、廃線跡を辿ります。
ここから廃トンネルが3本あります。当然内部に明かりはないので昼でも真っ暗です。しかもどのトンネルも全長1km近くあるので、トンネルウォーキング初心者には精神的にかなりキツいと思います。
ちなみにトンネル内も一応立ち入り禁止です。自分はしかたなく迂回しました、はい。
誰が利用したんだ!?山に囲まれた旧東青山駅
で、3本の廃トンネルを抜けると、その先にはコンクリートの遺構が残る旧東青山駅に到着します。山に囲まれていて、周辺には何も見当たりません。
奈良方面から三重方面を見る。線路があった場所を挟んで南北にホームがある相対式ホームです。
線路跡を歩いてみました。ホームは結構高さがあって、線路に落ちると上がるのが厳しい高さです。
南側のホーム。木材ブロックの上にコンクリートが敷かれています。
ホーム断面図。レールが再利用されていますね。ちなみにホーム上にある荷物は私のものです。
南側のホームは三重県方面から上がれます。
南側ホーム上から奈良県方面を見る。特にベンチなどもありません。
歩いてみました。こう見ると思ったよりも狭いですね。昔はこんな感じで電車が来るのを待っていたのでしょう。
電車まだかな。
南側のホーム上から線路跡と北側のホームを見る。右奥にあるのが三重県方面の滝谷トンネル。
ちなみに近鉄大阪線列車衝突事故と呼ばれる、電車の正面衝突事故が起きた現場は、新東青山駅の東側にある総谷トンネル内です。従って、新東青山駅より西側にある旧東青山駅は関係ありません。心霊スポットでもありません(笑)
でも、事故の原因であるブレーキのトラブルが起きたのはこの旧東青山駅でのことだそうです。ここから電車が勝手に動き出し、時速数百キロとなって対向電車と正面衝突したそうな。現在は総谷トンネルも廃トンネルとなっていて、トンネル側面についた事故の傷跡や、枯れた花束を見ることができます。
旧東青山駅周辺を散策
あ!誰か焚き火をした人がいたようです。コンクリート上なので山火事になりにくく、安心ですね。楽しそうです。
手洗い場らしき遺構がありました。
古そうな缶がありました。40年くらいここに残ってるんですかね…。
隣にも何かわからないけど建物がありました。植物に覆われて、もはや遺跡的です。
森永牛乳らしきものの空き瓶。おそらく廃墟マニアが並べたのでしょう。
建物の横には階段があります。めんどくさそうだったので上がりませんでしたが、他のサイトを見ても特に何もないみたいでした。
しかし周辺には本当に何もない。何もないのになぜ駅があったのか。もしかしたらその1つが東青山変電所の存在だったのかもしれません。東青山変電所!?それは一体…!?というわけで続きは以下の記事をご覧ください。