廃墟探索も命がけ
富山県です。この日私は廃墟マニアの間で「バイオハザード研究所」と呼ばれる廃墟にきていました。仰々しい呼び名が付けられることは廃墟あるあるで、そんなバイオハザード研究所とか言ってもどうせ大したことないんだろうとたかをくくりながら入ると、まさにそのように呼ばれている理由の1つとも思えるような紙切れに遭遇し戦慄しながらカメラのシャッターを切った結果がこの写真です。
今回、Team酷道のよごれんさんにご案内頂き、探索する機会を得ました。また、この物件に関する面白いお話を聞かせて頂きました。この記事でもちょこっと紹介していますが、より興味深い情報が下記に記載されているのでぜひ下記の記事もご覧ください。
【参考】カビだらけの実験室、放置された薬品瓶…元研究所の「ヤバい廃墟」に潜入したら“闇”が深すぎた
「バイオハザード研究所」それは薬品会社の廃墟
人里離れた県道沿いに堂々と立つこちらこそが件の廃墟、「バイオハザード研究所」です。
内部は意外にも綺麗に保たれていました。保管状態が良い廃墟は、逆にちょっと、居心地が悪い。
蓋を開ければそれがバイオハザードの始まり
この廃墟は元々、製薬会社でした。動物の血液型を判定する薬を作っていたんだけど、その薬を許可なく販売していたため、薬事法違反で経営者が逮捕されたんだそうな。
さらに言うとこの会社の社長は、それ以前も輸血用の犬の血液を販売する会社を運営していて、その会社が倒産したときに数百匹の犬を放置して大きな問題になったとか。
不穏な冷蔵庫。中にいるのは8割ゾンビ
そう、この会社、というかこの経営者、色々と疑惑が付きまとうのです。
バイオハザード研究所と呼ばれる理由
この廃墟がバイオハザード研究所と呼ばれる理由は、1つが元々製薬会社の廃墟であり、さらにこのような物々しいプリントや怪しげな薬品が残っており、これらがあの有名なゲーム、バイオハザードを連想させるからでしょう。
ただものすごいあからさまに置かれているこのプリントに関しては、恐らく廃墟化してから、廃墟探索する人を楽しませるために設置されたんじゃないかなと思います。
もう1つの理由は、このように、もはや普通にバイオハザードと書かれた標識が貼られているからです。
実はこれ、感染症を引き起こしそうな施設とかに貼り付けることを厚生省が義務付けているんだそうです。なので遊びやいたずらではなく、本当に、普通に、必要なもの。
【参考】厚生労働省告示第203号
そして館内にはこんな資料もありけり。「バイオハザード実験施設」というものしい言葉。
さらにウイルス精製記録。プレイしたことはないけど、ゲームのバイオハザードのようにこれ見よがしに気になる資料が置かれている。知り合いにこの写真を見せた時に「富士急?」と聞かれたように、散乱する物が、あざとい。
なんだかビートマニアを連想させるもの。余談ですが、先日平成生まれにダンスダンスレボリューションの話をしたら何それと言われました。あれほど流行っていたのに、今となっては過去の遺物。そりゃナスカの地上絵も謎のベールに包まれるわ。
ここで遺伝子改造した人間を培養していたとかしないとか…。
手術室かなんかでしょうか。2つの大きな無影灯と保育器がインスタ映えすること間違いなし。
怪しげな薬品群。
たまに勘違いされるようですが、この会社は普通に倒産したのであって、バイオハザードによって滅んだわけではありません。私の捜索によると、地下室に通じる怪しい階段もありませんでした。でもどっかの開かずの間に、鎖に繋がれた元人間のミイラがあったりしてもおかしくない。そしてこの探索を終え帰路について数週間後、私の体もこの時に見たミイラのように朽ちていったとしてもおかしくない。
鳥インフルエンザとバイオテロ疑惑
この会社のことを調べると、インターネット上では様々な疑惑に関する情報が記載されています。特にヤベェのが、「鳥インフルエンザのウイルスをばら撒いて、敵対していた業者を潰したのでは?」という疑惑。
あくまでネット上の話だし、疑惑が浮かんだ理由も「鳥インフルエンザが話題になった後、すぐに対応するワクチンを宣伝した」みたいなものなので、信憑性としてはどうなんだろうくらいのものですが、犬を放置して問題を起こしたり、薬事法に違反したりと前科があるのでさもありなん。
ある日急に人がいなくなった感。恐らく、経営陣以外は倒産するなんて夢にも思わず、出勤したら会社なくなってたパターンなんだろうな。
私も昔、アルバイトをしていたお店が突然潰れて困惑したことがあります。急に店長から電話かかってきて、潰れたって。店長も雇われ店長だったから、今思えばかわいそうだよな。彼もまた被害者の1人だったんだ。いつだって悲しい思いをするのは下っ端だよ。聞いてるか、自民党!(社会派ブログ)
内部の嫌な雰囲気とは裏腹に、この日は快晴でした。探索を終えて無事家に帰ってきたわけですが、感染していないことを祈りながら記事を書いています。感染したなら感染したでいいよな。何らかの控除とか受けられそうだし。
この記事の撮影機材
カメラ1:X-T20
レンズ:XF16-55mmF2.8
関連記事:トンネル内にある研究所廃墟
こちらは岐阜県ですが、珍しい廃墟があります。なんとトンネルの内部にあって、宇宙線と呼ばれるものを観測する施設だったそうです。
トンネル内なので当然中は真っ暗。もちろん当時は電気がついたのでしょうが、現在は懐中電灯の明かりを頼りに探索するしかありません。
この「トンネル内の研究施設の廃墟」というシチュエーションがまた素晴らしい。こちらもまさにバイオハザードさながらの体験ができるおすすめの廃墟です。