江津駅は現役の駅
島根県です。JR山陰本線の駅、江津駅がこの度のスタート地点。この駅はかつて三江線と呼ばれる路線の始発駅でもありました。三江線はこの江津駅から広島県三次駅までを結ぶ100km以上の路線でしたが、2018年に廃止されてしまいました。
今回はこの三江線の廃線跡を、江津駅から三好駅までバイクで辿ってきたので紹介していきます。
目次(もくじ)
三江線は江の川と共に
始まっていきなりローカル
現役の江津駅からひっそりと分岐し、藪の中に激突している線路あり。これこそが三江線の始まりです。2018年廃止と廃止年が比較的新しいこともあり、線路はほとんどが生きています。
川沿いを走ります
一方で残念なことに、駅舎は保全されず解体されてしまったところもいくつかあるようでした。三江線2番目の駅「江津本町駅」も、本来ならば左側に駅舎があったのですがその遺構はほとんど残っていません。
川の上を走るぜ
三江線は江の川という中国地方で最大の川に沿って走っていました。雄大な江の川を尻目に走る姿は、雰囲気のある素敵なローカル路線だったことでしょう。しかしこうした厳しいロケーションにあることから、土砂崩れ等の災害も多く発生し、そのことも廃線の要因の1つだと聞きます。
残された川平駅
川平駅はここまでで初めて駅舎が残っている駅でした。
誰もいません
いくつかイスがポツンとあるだけでした。ここは有人駅だったそうで、窓口もありました。しかし、それだけ。
川戸駅は現役感のある廃駅
リュックがでかい
その隣の川戸駅はちょっとした集落にあって、駅舎もこれまでで一番大きく立派でした。
無賃乗車
窓口は「サロン かわど こしかけ」というもになっていました。地域の交流スペースとのことです。
4年遅かった
山に囲まれたところにあるのんびりした駅です。状態は良く、今でも電車がやってきそう。
民家や山の隙間を縫って進む
こういう住宅の間を縫う線路は好き
これは確か田津駅だったかな?住宅の隙間に線路が走っていました。野良踏切への警告がいくつかありました。家が目の前にあるのに線路を横断せず、正式な踏切を使えってのも横暴です笑
滝と廃線
少し藪の中に入ると、トンネルとすぐ横に滝がありました。こんなところを走っていたんですね。そしてここらはもうほとんど人の手がないようで、自然に還りそうです。
石見川本駅は今でも賑わう
三江線の終始発駅を除くと、おそらくこの石見川本駅が最大級だと思います。
古いタイプの改札
ご覧の通りここは今でも賑わっていて、レールバイクを楽しめるようです。
地元の中学生みたいな子供たちがたくさんいて、楽しそうに遊んでいました。素晴らしい再活用ですね。
廃線跡をバイクで辿るのもまた良し
階段はいつも一段飛ばし
木路原駅前の階段を駆け上る人。
地味な駅には目もくれず
竹駅前の道路をバイクで駆け抜ける人。
こういう風景には原付が似合う
次の駅目掛けて走ります。
石見簗瀬駅だったと思います。
ここでドローンロストしそうになった
江の川にかかる橋梁。
浜原駅は地域おこし協力隊の事務所になっているようでした。と言っても人の気配はありませんでしたが…。
潮駅は現役時代に見てみたかった
潮駅は春に来たい
今回の旅で一番心惹かれたのが潮駅です。目の前を江の川が流れていて、雄大で美しいと思いました。こんな景色の中にノスタルジックの象徴であるローカル鉄道が入構してくれるシーンはさぞかし素敵な光景だったことでしょう。また周りは桜並木だそうです。
三江線の夜
もうだいぶ日も傾いてきてしまいました。伊賀和志駅です。
現役のような雰囲気
そして口羽駅。ここはやけに綺麗でホーム内の立ち入りも禁止されていません。その理由は、隣駅の宇都井駅からここまではトロッコによる運行を今でも行なっているからです。なお、三江線最大の見どころである、宇都井駅については別の記事で紹介しているのでご覧ください。
謎のイルミネーション
駅舎もちょっとデコられてて素敵。
さてそんな感じで、終点の三次駅に着いた頃にはもう真っ暗になってしまいました。途中端折ったりしましたが、基本的にはレール伝いで走行できるので、楽しい探索になりました。石見川本駅や宇都井駅-口羽駅区間以外はほとんど駅舎も撤去済みでしたが、まだまだレールは残っているので見どころはあります。ただ島根と広島の間っていうなかなかのど田舎なので、アクセスは大変ですね。
この記事の撮影機材
カメラ1:α7C
カメラ2:GoPro HERO9
カメラ3:DJI Mavic Air
背景を知るとさらに面白い廃線巡り
熊本県にある高森湧水トンネル公園は、鉄道を通すためにトンネルを掘っていたら水が出てきて放置され、その後公園にしたという面白いトンネルです。こうした着工したけど結局未完成に終わった廃線のことを未成線と呼びます。
んで、この未成線について調べると国鉄時代の夢の果てだったこともわかります。こういう背景を知ると、廃線巡りがより面白い!