東京都です。高田馬場駅から徒歩数分の飲食店、米とサーカスにて開催された「高田馬場で昆虫食を楽しむ会」に参加してきました。
このイベントは、昆虫料理研究家の内山昭一さんによって定期的に行われる昆虫食イベントでございます。数年前に新宿の紀伊国屋書店で、内山さんの著書である楽しい昆虫料理を見てからというもの、私も過去何回か昆虫食を体験してきました。
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そんなわけで今回もどんな昆虫が食べられるのか楽しみです。以降、昆虫の写真ばかりのためご注意を。
目次(もくじ)
生まれて初めての昆虫料理体験
飛んで火に入る夏の虫のごとく、このためだけに名古屋からやってきました。内山さんの説明の後、早速食べるぜ!と思えば、参加者も一緒に調理してもらうとのこと。お、マジか。するのか。俺が、虫を、調理。
なんの前振りもなく茹でられるセミの幼虫。このセミなんのセミだったか聞くの忘れたけど、クマゼミかな…?
本日の料理は3品あり、サクサンとセミのチリソース、バグミックス大根もち、ツムギアリ虫華サラダです。中華サラダの中が虫なのがポイントですね。
過去食べてきた昆虫料理は、いずれも素揚げや和え物など、素材の味をどストレートに活かしたものだったのですが、今回は中華料理ということで、あくまでも食材の1つとしてどのように料理に昇華していくのか楽しみです。染めてみせよう、4,000年の歴史。
茹で上がったセミたち。昆虫って調理をしても見た目にあまり変化がないので、料理の加減が難しいですね。
こちらはツムギアリの卵を茹で終えたもの。でも言われて見ないと豆か何かにしか見えないと思います。ツムギアリって結構どう猛で恐ろしいアリらしいんですが、わりと広い地域で食材として採取されているようです。この日もツムギアリは缶詰に入った状態で提供されました。これはサラダに使います。以前もサラダで食べた覚えがあります。サラダ向きなんですかね。
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この日唯一の生きてる食材、コオロギです。しかしこれはどう見てもペットのエサですね(笑)これを食べるのは人間としてのプライドが揺らぎます。
が、茹でます。しかし虫ケラとは言え、沸騰する鍋の中でもがく姿を見るのは忍びない。生まれ変わったら、今度は一緒におにぎりでも食べような。合掌。
場面変わって、彼の名はサクサン。聞きなれないと思います。ヤママユガの仲間だそうです。過去に蚕の蛹を食べたことありますが、アレはすごい味でした。今まで食べた昆虫の中でもダントツ最下位です。このサクサンもあの時の蚕の蛹と同じ匂いが漂っていて、身構えました。
ただ今回は、このように半分に切って、内蔵みたいな部分を取り除きます。なるほど、今までは1匹丸ごと食べてたから美味しくなかったのかもしれない。と、思いながら蛹を切断して行くと、体液が指にまとわりつき、私の指はどんどんサクサン臭くなりけり。
やや、あれに見えるは素揚げされたコオロギではないですか。
そしてこちらがバッタ。あれぇ?桜えびみたいだぞぉ?内山さん曰く、バッタ(コオロギとかも)は足の部分に筋肉があり、一番美味しいそうです。ただ、硬いので食べにくいとのこと。
揚がった昆虫は大根もちに乗せられます。モチモチとバキバキの競演ですね。完成が楽しみです。
セミたちのその後。彼らも油たっぷりのフライパンで炒められます。ここでセミ豆知識を披露します。セミはオスしか鳴きません。オスは鳴くための筋肉が発達しているので身がしっかりしています。以上、セミ豆知識でした。
ニンニクやタマネギと一緒に炒められるセミ。
豆板醤などをかけられるセミ。中華っぽくなってきた!
セミチリ完成。アップで見るとつぶらな瞳が可愛い。
セミに続き、炒められるサクサン。
綺麗に盛り付けてこちらも完成。
バグミックス大根もちも完成。こちらは昆虫のビジュアルが際立つ見た目をしてらっしゃいます。
お皿の感じといい、エスニックな雰囲気に。これは良い。
最後にツムギアリの虫華サラダ。これは虫だと言われなければわかりませんね。
こちらもビジュアル的には問題なし。蜂の子が練りこまれたパンだったと思います。普通のパンだったらすみません。
完成したと言っても過言ではない昆虫料理たち。サクサンは捌いて多少手を加えましたが、それ以外はもうほとんどそのまま虫です。東南アジアチックですねえ。
昆虫中華の味はいかに
いざ実食の鎌倉!まずツムギアリの虫華サラダを食べました。こちらは特になんともですね。普通にサラダです。所詮はアリンコなので、味の主張はそんなにありません。見た目も米粒的な感じで、昆虫が苦手な方でも食べやすいと思います。プチュッといく食感が人によってはアレかもしれません。
基本的に昆虫の食感は「プチュッ」か「ガリッ(またはザクッ)」のどっちかです。難儀。
続いてバグミックス大根もちからはバッタをピックアップ。内山先生がおっしゃっていたように、確かに腿の部分が何となく肉厚で美味しそう。
ということで脚だけちぎって食べてみましたが、特に味を感じませんでした。まぁ少量だし、素揚げなのでそんなもんかな。
バッタの味はやっぱり多少の土臭さというか、なんかこう土のもの感があります。あとこれは昆虫料理全般に言えることですが、昆虫料理って一匹まるまる使うんですよね。牛とか豚はまだしも、魚やエビでさえ、一部を捨てたりするじゃないですか。まぁ個体の大きさもあるんですが。昆虫も例えば羽だとか頭だとか落としてやれば、また違った味、食感になるのでは…と思っています。
しかししらすや煮干しなんかはまるまるなので…。どうなんでしょうね。
そしてメインディッシュ。セミチリからセミをピックアップ。セミはねぇ、昆虫の中でもエビに似た味で美味しいとよく言われているのですが、前回食べた時はちょっとイマイチでした。
でも今回は…なるほど!なるほどなるほど!確かにこれは…エビに似ている!セミチリという、エビチリ風の味付けだからこそかもしれませんが、なるほどこれはエビに近い…!ついにワタクシ、確信しました。セミの幼虫は、エビの味に似ている!
最後はサクサン。写真はない。
中華料理に姿を変えても、やはりあの強烈なエグみは消えていませんでした。しかし、これまでよりは遥かに食べやすい。これはなるほど、マッチしているぞ。
まとめると、やはり昆虫には昆虫独特のエグみ、風味がありこれは一筋縄ではいかないことを再確認しました。が、やはり中華料理のような濃い味付けであればこれが意外と悪くない。
見た目に関しては、自分は元々嫌悪感がないので問題ありません。しかし、今回調理までやってみて、やっぱり生き物を殺すことに多少の悲しさがありましたね。まぁこれは昆虫食とは別のベクトルの話なのですが。昆虫ってつぶらな瞳じゃないですか。その瞳がね、ずっとこっちを見るんですよ…。まぁ犬猫とかに比べたらその悲しさはほんのわずかなんですがね。
で、まぁ話が逸れましたが、昆虫を美味しく食べるにはある程度の調理が必要だと思いました。サクサンの内臓を取ったりだとか、その辺の選別をね、やはりやるべきなんですよ。インパクト的には1匹丸々使った方がそりゃでかいんですが、やっぱりやろうぜ、調理。そんな感じでどうでしょうか。いらない考察ですかね。
この記事の撮影機材
カメラ:RX100M3