小坂町を空から見てみよう
秋田県小坂町に行ってきました。江戸時代末期にこの地域で鉱山が発見されました。明治に入りこの鉱山を中心として街づくりが進みました。その結果東北の中でもいち早く近代化が進み、また、芝居小屋などの娯楽施設も建設されました。
それから100年経った今、人口5,000人規模の小さな地方都市となった小坂町には、当時の面影を残す施設が3つあります。「小坂鉱山事務所」「康楽館」「小坂鉄道レールパーク」これらを見学してきたので紹介します。
- 小坂鉱山事務所:330円
- 康楽館:660円
- 小坂鉄道レールパーク:550円
- 3館共通:1,350円
秋田県小坂町が非常に面白かったので雑誌風にまとめてみた。100年前に鉱山として栄えた街で、西洋風の建築物や芝居小屋、廃線跡が残ってる。どれも内部まで見学できて見応え十分。東北の山奥なのでアクセスは大変だけど、是非訪れてほしい。 pic.twitter.com/4twJlxrfP5
— 斎藤ポポポ (@saitoh_ppp) June 22, 2021
明治百年通りを行く
まるでタイムスリップした気分!…にはならない
小坂鉱山事務所から康楽館、小坂鉄道レールパークまでの道のりは「明治百年通り」という名称が与えられ、綺麗に整備されています。さらにこの通りを挟み込む形で、東には小坂川が、西には大きな公園がそれぞれあり、とても美しい通りという印象でした。
小坂鉱山事務所
小坂鉱山事務所
まずは街の中心にある大きな建物。旧小坂鉱山事務所です。三階建ての木造洋風建築。2階にあるバルコニーはイスラム風とのことで、まぁ海鮮丼のような建物です。
建設されたのは1905年のこと。ちょうど鉱山での生産高が日本有数規模となり、人口もおそらく2万人規模だった時代です。海外からもお客さんが視察に来ることもあったようなので、いっちょやったるかというノリで作ったんでしょう。立派です。
それから1997年まで実際に使われましたが、鉱山の閉山に伴って事務所も閉鎖、解体されました。しかし2001年に復元のうえ、元々あった場所から少し離れたこの場所に移設されました。なので築100年のものではなくあくまでレプリカなんですが、室内の小物に至るまで、当時の設計図に忠実に復元したそうです。
木造螺旋階段
入館早々目を引くのが立派な螺旋階段。柱には一本の秋田杉が使われているそうです。
螺旋を描くよどこまでも
なんにせよ素敵ですね。特にうんちくはありません。
事務所再現ではなく資料館
個人的に好きなのが、この2階にあるエリア。床が昔の衛生写真になっています。古い地図を大きく眺めながら今の風景と対比させて見るのが面白かったです。
ちなみに同じく2階には飲食を提供している「あかしあ亭」もあります。ランチでハンバーグを食べましたが、そんなにでしたね!笑
いい職場です
復元建築ということや、事務所当時の品々よりも資料館としての展示が多いことから、あまり事務所感はありませんでした。ただ、展示の内容は充実していて小坂鉱山を中心にこの街のことを知るのには役立ちましたね。
舞踏会を抜け出した男女が出会う場所
例のバルコニーから見る景色はとても良い。やはりこのような素晴らしいデザインということで、コスプレ客にも需要があるようです。また、さらっとしか見てないですけどどうやらドレスの貸し出しなんかもやってるっぽい。
元病院の敷地内
なお、この移設された小坂鉱山事務所があった場所にはもともと小坂鉱山病院がありました。こちらも解体されてしまったため今はその一部しか残っていません。古い地図を見ると、これまたかなり大きく立派な病院だったことがわかります。
康楽館
康楽館の正面にはロックな感じのテーマソングがかかってた
康楽館は鉱山事務所とは異なり、こちらは復元ではなく、まさに1910年に建設されてからそのまま続く、100年前の建築物です。実際「現存する日本最古の現役芝居小屋」と言われているそうですね。
ワクワクする座席からの景色
内部に入ると、ガイドの方が案内してくれます。二階、地下、楽屋、客席と隅々まで案内してもらえるのでプロ目線で色々と知ることができます。例えばこちらの天井、木造の芝居小屋にしては珍しく洋風であり、和洋折衷デザインが独特とのこと。また、中心で使われている電球は明治時代のものがそのまま使われています。すごいぜ。でもメンテナンス大変そうだぜ。
楽屋のサインたち
楽屋に入ると、壁一面に役者さんたちのサインがありました。まぁサインペンとかなので歴史は浅いと思いますが、いいですね、こういうの。
バカチン教師
芸能関係には疎いうので書かれているサインは知らない人ばかりでしたが、唯一分かったのが鉄矢!
1畳に3に座る
この空間に600人くらい収容できるそうです。結構ギチギチ。
特権だね
臨監席なるもの。これ面白かった。当時の芝居では政権批判を行なったりすることが多いので、そういうことが行われないように、このブース内で警察が見張っていたそうです。
小坂鉄道レールパーク
小坂鉄道小坂駅
最後は小坂鉄道跡です。お察しの通り、鉱石を運ぶための鉄道として、1908年に整備されました。その後は旅客輸送も行いましたが、2009年に廃線となりました。そして2014年にレールパークとして整備され今に至ります。なので生まれ変わったのは結構最近ですね。
赤鬼青鬼
このレールパーク、ぶっちゃけかなり持て余している印象を受けました…。まぁこのように車両基地には当時の車両が眠っていたり、ブルートレインに宿泊できたりするんですが、まぁよくある感じ。
このブルートレインには泊まれます
レールバイクやトロッコに乗ったりもできるんですが、小坂駅内を走るだけなので短めです。せめて隣駅とかまで走れたら風景も変わるのに、同じ敷地内なら何も変わらないっすよ…。
楽しい…?
でもブルートレインへの宿泊は面白そうだね。寝台車の宿泊自体は日本各地にわりと残ってるんですが、ここだと実際に駅ホームから乗り込んで車両基地まで揺られるって体験ができるみたい。まぁ、数十メートルの区間なんですけどね。
この記事の撮影機材
カメラ1:α7C
カメラ2:DJI Mavic Air
鉱山で遊ぶ
行く道に「鉱山」とあれば必ず寄ります。鉱山は神殿見たいで見ていて楽しいし、時にはテーマパークのようになっていて探索ができたり、小坂鉱山のように街に与えた大きな影響の歴史を見るのも楽しかったりします。
そんな鉱山の中でもとても楽しかったのが滋賀県の土倉鉱山。残念ながら立ち入り禁止となってしまいましたが、当時は鉱山跡に登ったりして、肌で感じることができました。