2019年10月頃にソニーのワイヤレスノイズキャンセリングイヤホン、WF-1000XM3を購入しました。相変わらずソニーのイヤホンは覚えにくい名前ですね。
さてこのイヤホン、AppleのAirPods Proが出るまではおそらく唯一のワイヤレスノイズキャンセリングイヤホンということで発売当初はかなり話題を生み、品薄にすらなった逸品です。
2ヶ月以上使ってみて、良いところ悪いところがはっきりしてきたのでレビューしていきます。
- 音質は抜群に良い。AirPods(初代)よりも断然に良い音だと思った
- ノイズキャンセリング効果は2013年製のMDR-EX31BNと同レベル程度
- ただ耳の奥までしっかり押し込めばノイキャン効果は高まる
- しかし長時間つけていると耳が痛くなる
- AirPods Proを使ったことはないが、AirPods ProとWF-1000XM3を比較すると、AirPods Proの方がストレスなく使えそう
目次(もくじ)
WF-1000XM3レビュー:音質は良いがノイズキャンセル効果は期待していたほどではなかった
WF-1000XM3を使ってみて最初に思ったのは「音が良いな」ということ。自分はイヤホン評論家ではないので具体的に「音が良い」=「何が優れているのか」を言い表すことはできないのですが、WF-1000XM3の前に使っていたAirPods(初代)、MDR-EX31BNよりも明らかに「良い音だな」という印象がありました。
ただ、自分は音質にはそこまで拘っていません。音質が良いのは嬉しいけどそれより重要なのはノイズキャンセリングの効果。
まずAirPods(初代)と比較すると、当然ノイズキャンセルの効果はよくわかりました。例えばAirPodsで電車内で音楽を聴くと、音量を上げないと喧騒に紛れて音楽が聞こえにくいのですが、WF-1000XM3ならノイズキャンセリングによって喧騒を抑えてくれるので、音楽が聴きやすい。イメージとしては、音楽と環境音の間に壁が1枚立った感じ。
しかしずっと愛用していた
ソニー製の2013年製ノイズキャンセリングイヤホンMDR-EX31BNと比較すると、ノイズキャンセリング効果は薄い気がしました。
MDR-EX31BNに慣れていたからか、WF-1000XM3を使った際には「え、これノイズキャンセリング効いてるの?」と思って何度も設定を見直したほど。「MDR-EX31BNよりもWF-1000XM3の方がノイキャン効果は高い!」とレビューしているサイトもありますが、個人的にはそうは思いませんでした。
黒丸部分に触れると、一時停止やスキップなどの操作ができる(ボタンではない)
どちらも例えば換気扇の音や環境音に関してはわりと聞こえないレベルで抑えてくれますが、電車内やカフェなど人の話し声がある場所では「比較的周囲の音が聞こえにくくなる」レベル。「ノイズキャンセリングをオンにした瞬間静寂が…!」みたいなシロモノではありません(これはMDR-EX31BNもそうだった)。
「外音取り込みモード」なんてものもあるのですが、わざわざそんなもの使わなくても話しかけられれば普通に聞こえます。
また、WF-1000XM3を耳に入れて奥までグリグリすると、耳の穴が密閉されて遮音性が高まります。密閉した状態だと、適当に耳に入れた場合よりもノイズキャンセリング効果は大きくなります。つまりイヤホンが耳栓代わりになるわけです。
というわけでグリグリして耳の奥まで入れるようにしたところ、ある程度ノイズキャンセリング効果が向上しました。
実際にソニーの公式動画でも「耳の上部を軽く引き上げながら回転されると、奥に入りやすくなります。」と耳を引っ張ってまで奥に入れることを推奨しています。
ただ、毎回耳に入れる度にグリグリして最も密閉性が高いベストポジションを探さなければいけないし、ベスポジを見つけても例えばあくびすると耳の穴が広がってズレることもあります。こうなってくるともうイヤーピースと耳をなじませる戦いだと思います。
なお、WF-1000XM3にはサイズと素材が違うイヤーピースが6種類同梱されています。これらを使って最も遮音性が高くなるものを選ぶことで、ノイズキャンセリング効果を高めることができます。
またイヤホンのイヤーピース形状は汎用的なものなので、付属品以外でもいろいろ付け替えることができると思います。
- マルチペアリング機能がないイヤホン:スマホの接続を自分で解除してからPCと接続する必要あり
- マルチペアリング機能があるイヤホン:スマホの接続そのままに、PCと接続すると自動的にスマホの接続が解除される
WF-1000XM3のデメリット:ノイズキャンセル効果を高めるには耳の多くまで入れる=耳が痛くなる
てなわけでWF-1000XM3のポテンシャルを上げるためには「耳の奥までぶち込んで遮音性を上げる」ことが重要なんですが、そんな状態で長時間使えば当然耳が痛くなってくるわけですよ。
なのでたまに耳をリラックスさせるためにWF-1000XM3を外して、ひと段落したらまた付け直します。付け直す時もグリグリしてベスポジを探して耳の奥まで打ち込みます。そしてしばらくしたらまた耳が痛くなってきて…。
そんなことを繰り返していると、いよいよ使うのが億劫になってきます。いくら音質が良い、ノイズキャンセリング機能がある、とはいえ、AirPodsと比較するとお手軽感がイマイチだなという感想です。
iPhoneとの相性が悪い?音が途切れる場合が多々あり
さらにWF-1000XM3で非常に気になるのが、時々、一時的に接続が途切れること。
これもAirPodsやMDR-EX31BNを使っていた時は全く遭遇しなかったので、発生すると非常に気になります。
また、通常は耳に入れると自動的に電源がオンになり接続した状態になるのですが、これも時々接続されていないことがあります。こういう連携が地味にスムーズにいかない状態は非常にストレスになります。
特にAirPodsでは全くそういうことがなかったので、途切れる頻度は低いとは言え「それが発生する」だけでとても悪印象です。
ただし私はWF-1000XM3をiPhoneやMacで使っているので、つまりこれはSony製品とApple製品の相性の問題かもしれません。
とは言えBluetoothという同一規格を使っているので、果たして相性なんてのがあるのかどうかは不明ですが。
WF-1000XM3とAirPods Proで悩んでいるなら、後者をおすすめする
そんなわけでWF-1000XM3のレビューをまとめると、音質は良いけどノイスキャンセリング性能はイマイチ、もしくは頑張ればある程度ノイキャン性能は高まるけど耳が痛くなる、という感じです。
で、WF-1000XM3の後追いで販売されたAirPods Pro。
こちらはまだ試したことありませんが、WF-1000XM3との比較レビューを見る限り、「音質はWF-1000XM3の方が上だけど、ノイズキャンセリング効果はAirPods Proの方が上」という評価が多い様子。
ただ「AirPods Proのノイスキャンセリング性能は圧倒的!」という意見は全く見ないので、結局のところ、WF-1000XM3もAirPods Proも似たようなもんなのかな、という気もします。
それよりもAirPods Proはサイズや重量がWF-1000XM3よりも小さく、また、AirPods Proには耳内の圧力を開放するための通気孔があったり、AirPodsで証明された接続性能の安定感も高かったりで、使用する上でのストレスのなさはAirPods Proの方が上なのかなと思いました。
そんなわけでワイヤレスノイズキャンセリングイヤホンをWF-1000XM3とAirPods Proで迷っている人は、まずAirPods Proで試してみることをおすすめします。Apple製品は無料で返品できるしね。
もっと安い価格でノイズキャンセリングイヤホンを楽しむなら断然MDR-EX31BNがおすすめ
文中でも紹介しましたが、2013年にソニーが販売を開始したMDR-EX31BNは、価格が8,000円前後と非常に安いにもかかわらずノイズキャンセリング機能が付いているので、入門編としておすすめです。
自分も2014年に購入し、2017年に一度壊れたけど買い直して今年WF-1000XM3を買うまでずっと愛用していました。
MDR-EX31BNは完全ワイヤレスではないのでコードが絡まるのが腹立たしかったのですが、Bluetooth接続するのでイヤホンジャックがないスマホでも使うことができます。ぜひご検討ください。