伊豆です。こちらの有料道路「伊豆スカイライン」の途中には、玄岳ドライブインと呼ばれる大きな廃墟があります。この廃墟、元々はロープウェーの発着駅だったそうで、ゴンドラこそないものの、ロープウェー巻上機などイカついメカニックを見ることができます。
そんなわけで写真をたくさん撮ってきたので見つめていってください。
世界最大「熱海高原ロープウェイ」を擁するも経営に苦労した伊豆の巨大廃墟
さて内部にやってきました。残留物が散乱していて、探索し甲斐のありそうな廃墟でした。
特筆すべきはこの廃墟、円形になっており、寝ぼけながら探索すると同じところをぐるぐる回ってしまい、最終的にバターになるという恐ろしい構造をしています。
私も危うくこのトラップに引っかかりバターになりかけていたところ、この日廃墟を案内してくれた古都コトきょーとのTamuraさんに「今時、トラがバターになる話なんて誰も知りませんよ」とお声がけ頂き、我に返ることができました。その節はありがとうございました。
さて見出しの通り、この廃墟は当時世界最大と呼ばれた、120人(121人かも)乗りの巨大なゴンドラを使ったロープウェーが見所でした。
そのロープウェイは「熱海高原ロープウェイ」と呼ばれ、玄岳ドライブインから熱海サボテン公園まで全長2,678mを繋いでいました。
ロープウェーとして営業を開始したのは1967年のこと。しかし1970年には営業を終了するという、非常に短命な施設だったようです。
ただロープウェーが閉業してからも、別の会社によって通常のドライブインとして2度短期的に復活したそうです。
しかし2005年にドライブインとしても終了。2006年に「地球環境&エネルギー資料館」という謎の施設になったものの、それも結局2008年で終了して現在に至ります。
一時期はブイブイ言わせたものの短命で終わり、しかしその後もちょいちょい復活する様はまさに巨人の吉村禎章そのもの。廃墟界の吉村禎章と言っても過言ではないでしょう(過言)。
無造作に置かれる緑ギター。この緑部分は苔?。レプリカかもしれないけど、ギターも長年放置されるとこんなになるんですね。
弦の先っぽがくるんと曲がっていて、これがまた、気持ち悪さを誘います。東大寺の謎蝶々を思い出させます。
この日は先日の台風15号によるものか、一部が軽く浸水していました。
玄岳ドライブイン最大の見所、3階のロープウェー制御室
廃墟を右回りに3週、左回りに2週した後、中央通路で5分待つと3階への扉が開かれます。これこそこの廃墟最大の醍醐味、ロープウェー制御室(機械室?)に繋がる階段です。
ああっ…!
小窓から差し込む朝日が美しく照らす
コンクリートの無機質な空間の中に、左右と正面に巨大な歯車らしきもの、そして正面には椅子で組まれた謎のオブジェがありました。
廃墟自然原理主義としてはこのような人為的に作られたオブジェなど、バーミヤンの大仏のごとく破壊してやらんと思わずにはいられないのですが、まぁ今回の場合はわりと努力賞に該当するレベルのオブジェだと思うので、これは見逃してやることにしました。
見逃されたオブジェ。良かったね。
左右にある巨大な歯車。こいつがぐーるぐーる回ってロープウェーを行ったり来たりさせていた…のかな。詳しいことは知らん。
正面足元にはこれまた歯車?的な?
サプライズ!それは屋上に上がれること!屋上と言ってもこの入り口を見てわかるように、もちろん観光目的ではなくメンテナンス用。これすなわち安全性に疑問あり。
でも登るっしょ!そこにハシゴがあったら行くしかない。あみだくじのように、示された通路は必ず通る。それが俺の廃墟道。
とまぁ屋上には手すりも何もないのでちょっと怖い。
怖いけど富士山見えるよ!ナイス絶景!
富士山とちょうど逆側には太平洋と熱海市が広がります。そしてあの山の合間を縫ってロープウェーがズンドコと上がってくるわけです。本当に大規模なものだったんですね。
ちなみに街の方には、ロープウェーの名残はほとんどありません。
この極太アームでロープウェーを支えていたんですねぇ。きっと。
こちらがロープウェー発着場。もはやただのテラスです。
そんなわけで1998年、惜しまれつつも引退となりました。ってそれ吉村さんやんけ〜!
この記事の撮影機材
カメラ1:RX100M6
カメラ2:GoPro HERO7 Black
カメラ3:Insta360 Go
怖い廃墟、いいよね
玄岳ドライブインは今や心霊スポットとして結構な人気の廃墟となったようです。そんな心霊系廃墟の次は、陰謀渦めくちょっと怖い廃墟はどうでしょう。
富山県のとある場所にあるこの廃墟は、通称「バイオハザード研究所」。謎のウイルスを研究していた廃墟…というわけではないのですが、色々と悪い噂の残る巨大な廃墟です。