iPhone13miniが1円で売られていた
最近、ケータイショップや家電量販店で「対象スマホ1円!」「iPhone1円!」みたいな広告が掲げられていることがよくあるんですが、「安いものには裏がある」みたいに、逆に怪しく感じるかもしれません。
確かに色々と注意点もあり、場合によっては結局定価購入するのと変わらないくらい費用がかかってしまう恐れもあります。しかし要点さえ覚えておけば誰でもリスクなく契約できます。
実際に、先日ショッピングモール内にあるauショップで、 iPhone 13 miniの実質1円セールが開催されていたので契約してきました。こうしたスマホの1円セールに関するからくりやデメリット、注意点を詳しく解説していきます。
目次(もくじ)
iPhoneを1円販売できるからくり
購入したiPhone13mini。かなり良い
スマホ1円で販売できるからくりの1つが、主にドコモ、ソフトバンク、auなどの携帯会社への乗り換え契約が必要だからだと思われます。
最近は格安SIMの出現によって、大手キャリアはユーザーを奪われ続けている状況です。そこで、1円スマホをエサとして、格安SIMに移ったユーザーを取り戻そうとしているわけです。
iPhoneの実質1円契約で覚えておくべき要点はこの2つ!
スマホを1円で購入する際には、「条件」と「実際のコスト」を頭に入れておきましょう。これから紹介する2つの要点さえ覚えておけば、損することはないでしょう。
条件:「MNP」と「2年後の返却」で1円契約可能
この1円販売には様々な形態があります。概ね「MNP契約」「25ヶ月目(2年後)の端末返却」の2つが条件となっていることがほとんどです。
MNP契約とは、今使っている携帯会社から乗り換えることです。今回私はauショップで契約したため、auへの乗り換えが条件となりました。
また、実質1円で契約するためには、契約後13〜25ヶ月目の間にスマホを返却しなければいけません。厳密に言えば購入ではなくレンタルということになります。
契約したスマホを紛失したり、画面割れがあったりすると、返却時に22,000円を負担しなければいけません。慎重に扱う必要があります。
この返却プログラムの詳細等については各公式サイトをご覧ください。
「一括1円」なら返却不要!:
もしもキャンペーンの表記が「実質1円」」などではなく「一括1円」となっている場合は返却不要です。本当に1円を払うだけ(+事務手数料などあり)でスマホを購入できます。かなり優れているキャンペーンなので、もしも目当てのiPhoneが一括1円で販売されていたらやっちゃって良いでしょう!
ただし、やはり「一括1円」よりも「実質1円」の方が開催頻度が高いです。また、あったとしてもSEが対象のことがほとんどで、13シリーズましてや14シリーズだとレアケースです。
なお、一括1円のスマホはMNPしなくても22,001円で購入が可能です。詳しくは下記記事参照。
- キャリアのプランを契約する
- 2年後(厳密な時期は契約による)にスマホを返却する
これら2つの条件をクリアしないと1円での購入はできない!
実際のコスト:毎月3,000円以上のプラン料金が発生する
月々1円×24ヶ月で合計24円という案件もあった
先の通り、1円契約にはMNPが条件となるため、その会社のプランに加入しなければいけません。iPhoneは1円で購入できるけど、月々高額なランニングコストがかかってしまうという状態になります。
例えばソフトバンクのメリハリ無制限プランを1年間使い続けた場合、トータルの料金は86,856円です。これはiPhoneを定価で買って格安SIMで1年間運用した場合とほとんど変わらないコスト感になります。高額なプランでの契約が条件になっている場合はスルーする、もしくは契約後により安いプランへと変更を行いましょう。
プランに縛りがない場合は最安のプランで加入すると良いでしょう。しかし最安プランでも「1GBで3,000円強」とかなので、コスパは最悪です。
なので、契約から6ヶ月後にキャリアのプランを解約するのがおすすめです。契約してすぐ解約するのではなく、6ヶ月後に解約するのがポイントです。これについて後ほど解説します。
スマホの実質1円販売に関するよくある質問
ここからはよくある質問として、実質1円スマホのもうちょっと細かい部分の注意点を解説します。
プランをすぐ解約しても良い?:ブラックリスト入りのリスクあり
スマホ本体とプラン(回線)の契約は別々に結ばれます。つまり、プランを解約してもiPhoneをそのまま使い続けることができます。
なので契約後すぐにプランを解約することも可能です。しかしこれはブラックリスト入りする危険性があるためおすすめできません。
高額なスマホを1円で販売できる理由は、月々のプラン料金で回収できるからです。そのためすぐにプランを解約されると携帯会社は大損してしまうので、その報復として今後その会社では契約できないようにします。これをブラックリスト入りと言います。
このブラックリスト入りの明確なルールはいずれの携帯会社も公にしていません。ただ、だいたい6ヶ月(180日)後の解約なら問題ないと言われています(あくまで目安)。
格安プランへの乗り換えもブラックリスト入りの危険性あり:
例えばauと契約後、すぐにauの格安プランであるUQモバイルやpovoに乗り換えた場合、どちらも運営会社はKDDIなので問題なさそうに見えます。しかし、このパターンでもブラックリスト入りする可能性はあるようです。
先の通りブラックリストに関する情報は公にされていないため、実際どういう扱いになるかはわかりません。ただ無難にいくなら、格安プランへの変更にしても半年間期間を空けてからの方が良いでしょう。
あと今回の案件を行うと、今後同等のキャンペーンの対象外となる可能性があります。例えば何年後かに「iPhone18が1円」とかで販売された際、参加できないかもしれません。それもまた覚えておきましょう。
回線契約なしで契約できる?:可能だがその場合22,001円になる
実はMNP契約しないで、端末だけ契約することも可能です。ただしこの場合、22,000円の割引が受けられないので、実質1円ではなく実質22,001円となります。
【関連】1円スマホを回線契約なしで買うと22,0001円になる理由を解説
これならキャリアの高額なプランに加入する必要がないため、利用期間によっては回線契約した場合よりもトータルのコストを抑えられる可能性があります。
ただし、もちろんこの場合も2年後に返却が必要なので注意が必要です。
また、プランを契約せずにiPhoneだけ安く買われてしまうと、携帯会社の利益になりません。なので端末のみ購入しようとすると妨害される恐れがあります。
例えば「在庫分は乗り換え契約の人のみ」「単体購入だと定価」などとアレコレ理由をつけて売ってくれないことがあるようです。
返却不要で契約できる?:可能だがその場合割引対象外になる
回線契約と同じように、返却も実は任意です。返却しないという選択もできます。
ただし、先の通りあくまでも「返却したら1円」という条件なので、返却しなかった場合は本来支払うはずだった料金を請求されます。
とはいえ、定価で買うよりは安いはずです。例えば私が契約したiPhone13miniの場合、料金の内訳と条件は以下の通りでした。
- 定価:101,070円
- 誰でも割引:-32,509円
- 回線契約した場合:-22,000円(初月:-969円+22ヶ月間:-956円)
- 2年後に返却した場合:-46,560円
- 合計金額:1円
つまり返却しない場合は46,560円の割引が受けられませんが、残りの2つの割引は受けられるわけです。つまり最安46,561円でiPhone13miniを購入できる計算です。
プランの料金は別途かかりますが、それでも本体代を半額程度で購入できるため、一括1円が全く見つからない場合は実質1円で契約し、期限が来ても返却せずに購入するのもアリです。
iPhone実質1円契約とその後の流れ
ここからはiPhoneを1円で契約する実際の流れと、その後の戦略を紹介していきます。なお、先の通り店舗によって条件に違いがあります。よってこれはあくまで一例です。
案件開催中のショップを見つける
iPhone1円セールは実施している店舗が限られます。基本的にはドコモ、au、ソフトバンクのいずれかのショップです。ヨドバシカメラやビックカメラなど家電量販店内で開催されていることもあります。
よく見かける機種はiPhoneでよく見るのはiPhoneSE、iPhone13シリーズです。14シリーズは見つけたらラッキー。
条件をクリアして契約手続きする
基本的な条件は「他社からの乗り換え」もしくは「(30歳以下などの人が)新規契約」の2パターンが多いです。これに加えて、指定プランの加入、2年後の返却などの条件が加わることもあります。
条件をクリアできればあとは契約していくだけです。携帯料金のプランはかなり複雑で、かつてはトラブルも頻発しました。その反省から逐一確認しながら手続きが進んでいくので、不明点などあればその都度質問する機会があります。ただその分手続きには時間がかかります。 1時間程度は覚悟しておきましょう。
問い合わせてお互いのミスを防ごう:
携帯プランは複雑すぎて、お店の人でさえも間違った案内をしてしまうこともあります。なのでちょっとでもわからないことがあれば、絶対に再確認しておきましょう。そうすることで二重チェックにも繋がり、お店の人も間違いに気づくかもしれません。
また、携帯会社では「〇〇ヶ月目」という言葉が頻出します。例えば「契約日から12ヶ月目に〜」などと言われたら、「12ヶ月目というのは、今日契約したら何月のことになりますか?」と具体的に聞いてメモっておくと安心です。
2年後:iPhoneを契約会社に返却
条件に「端末の返却」が含まれていた場合、だいたい25ヶ月目までには返却する必要があります。例えば2022年3月に契約した場合、2024年3月末までに返却することで、契約が満了します。
ただし先の通り、返却は義務ではなく権利なので、返却しない選択も可能です。その場合は返却することで受けられる割引を受けられなくなりますが、場合によっては検討しても良いでしょう。
正常な状態で返却できない場合は違約金あり:
破損が生じた場合は、最大22,000円の違約金が発生します。また、紛失や盗難等で返却できない場合は、当然全額の支払いが必要です。
まとめ:私の場合の実際の総コスト目安
最後に、今回私がiPhone 13 miniを実質1円で契約した際にかかった、本来のコストを紹介します。なお条件は「auへのMNP」「13〜25ヶ月目までに端末返却」の2つでした。
- 端末代:1円
- 契約手数料:3,300円
- プラン料金:3,465円/月(ピタットプラン 5G)※契約初月のみ日割り料金
私はブラックリスト入りを避けるため、6ヶ月間は上記のプランを継続し、その後他社にMNPする予定です。したがってプラン料金が6ヶ月かかる前提で算出すると…
1円+3,300円+3,465円×6ヶ月=24,091円
以上の通り、24,091円でiPhone 13 miniを2年間レンタルできた計算になります。もちろんこの価格でも十分安いのですが、少なくとも「1円」で済む話ではないので、そこはちゃんと把握しておかなければいけません。