気がつけばそこは岡山県、備前一宮駅。錆びついた駅名標が、ローカル感を際立たせて俺によし。
岡山と言えば桃太郎。桃太郎と言えば愛知県犬山市ではなく岡山。備前一宮駅のすぐ近くにある吉備津彦神社もまた桃太郎伝説に関連する場所なのです。
パワースポットとしても人気みたいですけど、珍スポットとして紹介させて頂きます。
桃太郎伝説の元ネタ?吉備津彦命の温羅退治
ここが吉備津彦神社の入口です。愛知県犬山市の桃太郎神社と比べると桃太郎の「も」の字も感じられない振る舞いが、逆に正当な桃太郎伝説発祥の地としての余裕を感じます。
はい、じゃあ、桃太郎の「も」の字も感じられない吉備津彦神社について紹介しましょう。
吉備津彦神社は、「大吉備津彦命(おおきびつひこのみこと)」さんを祀っている神社です。この人こそ桃太郎伝説の元ネタとなったお方なのです。
元ネタはこんな感じです。
むかしむかし岡山に「温羅(うら)」という鬼っぽい人がいました。温羅は窃盗や婦女暴行を繰り返していたので、大和朝廷は孝霊天皇の息子である吉備津彦命に温羅退治を命じました。
勝負は一瞬でした。
岩石を投じる温羅に対し、吉備津彦命は弓矢を持って温羅の目をスマートに打ち抜きます。やられた温羅は雉に姿を変えて逃げていきます。ならばと吉備津彦命は鷹になって追いかけます。
これでは分が悪いと、温羅は鯉になって川に逃げます。ならばと吉備津彦命は鵜になって、鯉になった温羅を丸飲みして終わり。めでたし。
桃でてきてないじゃん!?って感じなんですけども、この武勇伝にもいろんなバージョンが存在してて、例えば討伐にあたって「犬養健」「楽々森彦」「留玉臣」の3人の家来を引き連れたバージョンとかあるそうです。なのできっと吉備津彦命が桃から生まれた版もあったんでしょう。
吉備津彦神社の桃太郎像
てなわけでメインディッシュです。吉備津彦神社の駐車場の片隅には桃太郎像があります。
製作時期は不明ですが、そう古いものでもないでしょう。
桃太郎の顔。なんだかのっぺりとしています。すごいへの字口だし。でも格好はゴージャスだと思う。
桃太郎の左側には猿とキジがいます。猿はなんかもうこれ宇宙人みたいですね。
犬は白目剥いちゃってる。
横から見るとなんかバランスが悪い犬だな。クリンと丸まったしっぽがかわいい。
後ろから。全体的に頼りない立ち姿。猿のしっぽは折れたのか。
その後姿はどう見ても捕らわれの宇宙人。
横から見ても宇宙人。やせ細りすぎだろ。キビ団子以外にもなんか食わせてやってくれ。
足元に小さな狛犬もいた。昔の写真を見ると雉は桃太郎の右側にいた。現在は左側に移動しているので、つまり雉は土台に固定されていなくて、持ち運べるのかな。
そんな感じで桃太郎を360度回り込みながら楽しみました。しかし猿の視線が痛い。無機質な表情が怖い。
堪能したので帰る。改めて遠くから見ると卍っぽい立ち姿をしていました。
帰りにアマガエル見つけた。田舎の風景が素晴らしかった。
この記事の撮影機材
カメラ:Canon デジタル一眼レフカメラ EOS Kiss X7
レンズ:SIGMA 標準ズームレンズ 17-50mm F2.8 EX DC OS HSM キヤノン用
吉備津彦神社の詳細情報
公式サイト:吉備津彦神社
住所:〒701-1211 岡山県岡山市北区一宮1043
電話番号:086-284-0031
場所:Googleマップで見る
営業時間:いつでもいける
入場料:なし
備考:すぐ近くに吉備津神社ってのもあるけど、違いは特になくて、国が分割された時にそれぞれの地域に神社を作っただけっぽい。